いつから使える?離乳食のだしの基本とおすすめの種類を解説
大切な我が子に食べさせる離乳食づくりには気を遣うママも多いはず。「だしはいつから使えるのか」「大人用のだしを使えば良いのか」など、だしについて悩まれている方も多いことでしょう。
そこで、離乳食でだしを取り入れる時期やおすすめのだし、だしを活用したおすすめのメニューなどを詳しく解説していきます。離乳食期は味覚を育てる大切な時期ですので、素材の味を引き立てつつも赤ちゃんが楽しく食べることができるメニューをご紹介します。だしの活用方法に悩まれている方の参考になれば幸いです。
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離乳食にだしはいつから使える?月齢別の目安と進め方
生まれてから母乳やミルクで栄養を補って成長してきた赤ちゃんは、生後5〜6ヶ月頃になると少しずつ食べ物から栄養を補う練習を始めます。それが離乳食です。
赤ちゃんにとって初めての離乳食であるのと同時に、パパママにとっても初めての離乳食作り。大切な我が子に食べさせる離乳食作りはとても緊張しますよね。
特にだしを使うタイミングについて気になるパパママはとても多いことでしょう。そこで、だしをだしを取り入れる目安と進め方を月齢別に紹介します。
離乳食初期(生後5~6ヶ月頃)
だしの種類によっては、離乳食初期からだしを取り入れることができます。
しかし、素材本来の味で味覚を育てることが大切なため、離乳食を初めてすぐは、無理にだしを使う必要はありません。赤ちゃんの味覚を育てる大切な時期なので、素材の味を意識した薄味を心がけましょう。
離乳食中期(7~8ヶ月頃)
この時期になると、動物性のだしを取り入れることができるようになります。動物性の旨みを取り入れて、調味料なしで味に変化をつけることができます。
素材本来の味を引き立てつつも、食材を単調に感じさせないようにするため、食事の楽しみを広げることができます。
離乳食後期(9~11ヶ月)
この時期になると、少しずつ味付けをした食べ物を好むようになってきます。しかし、この時期に調味料で濃い味付けをしてしまうと、味覚を正常に育てることはできません。
自然のだしをうまく活用することで、調味料を使わなくても「美味しい」と感じる力が育ち、濃い味に依存しにくくなります。
離乳食でだしを取り入れるときの注意点
離乳食でだしを取り入れて、色々な味を経験させてあげることで、赤ちゃんの味覚を育むことができます。しかし、離乳食でだしを取り入れるときには注意したい点もいくつかあります。
だしは必ず薄めて使う!
赤ちゃんの味覚は敏感なので、大人用のだしよりも薄めに作るようにしましょう。
- 煮詰めすぎると濃くなる
- 昆布だしにはヨウ素が含まれるので注意
煮詰めすぎるとだしが濃くなってしまうので、大人用のだしよりも薄くなるように調整しましょう。
また、昆布だしにはヨウ素が多く含まれており、摂取しすぎると甲状腺機能に影響を与える可能性があります。ヨウ素は海藻類や母乳にも含まれますので、大人用の昆布だしを使用する場合は、必ず5〜10倍に薄めて使いましょう。
新しいだしを取り入れるときは単独で試す
だしの種類によっては、赤ちゃんがアレルギーを発症することがあります。そのため、初めて食べる食材は慎重に進める必要があります。
離乳食に新しいだしを使用するときは、どの食材にアレルギー反応が出たのか分かるように、新しく取り入れるだしは一つだけにしましょう。また、万が一アレルギー反応が出た場合すぐに病院に行けるように、初めての食材は平日の午前中に少量だけ試すようにしましょう。
赤ちゃんにおすすめのだしの種類と選び方
離乳食にだしを取り入れることで、食事の楽しみを広げてあげることができます。
そこで、赤ちゃんにおすすめのだしの種類と選び方を詳しくご紹介します。
昆布だし
植物だしである昆布だしは、動物性のだしに比べて脂肪やタンパク質が少なく消化に優しいため、離乳食初期から取り入れることができます。
昆布の旨み成分「グルタミン酸」は、味覚の発達を促し、食材の美味しさを引き出してくれます。このグルタミン酸は母乳にも含まれている成分であるため、昆布だしは赤ちゃんに受け入れられやすい味です。
ヨウ素の摂取のしすぎは甲状腺機能に悪影響を与える可能性があるので、離乳食に昆布だしを取り入れるときは必ず薄めてから使うようにしてくださいね。
野菜だし
野菜だしも離乳食初期から取り入れることができます。
野菜だしにはヨウ素が含まれていないため、日常的に使いやすいだしです。野菜を煮ることで、野菜に含まれるカリウムやマグネシウム、ビタミンCなどが溶け出すため、栄養がたっぷり入っているだしです。
離乳食の時期に合わせた野菜を選び、細かく刻んで弱火で鍋で煮るだけで簡単に作ることができるので試してみてくださいね。
かつおだし
かつおだしは、離乳食中期から取り入れることができます。
かつおだしには「イノシン酸」という旨味成分が豊富に含まれているため、味覚の発達を促してくれます。また、タンパク質やミネラル(鉄・カルシウム)が含まれているため、赤ちゃんの成長をサポートします。昆布だしや野菜だしに含まれる「グルタミン酸」と組み合わせることで旨みが強くなり、食材の味を引き立てる効果があります。
しいたけだし
しいたけだしは、離乳食中期から取り入れることができます。
しいたけだしには、カルシウムの吸収を助けるビタミンDやカリウム、鉄分などのミネラルが含まれているため、骨や歯の成長をサポートしてくれます。
また、しいたけだしには「グアニル酸」という旨味成分が含まれており、これは、昆布だしやかつおだしと組み合わせることで、さらに旨みが増します。クセが少なく優しい風味であるため、赤ちゃんも食べやすくなっています。
煮干しだし・あごだし
煮干しだし・あごだしは、離乳食後期から取り入れることができます。
煮干しはカタクチイワシ、あごだしはトビウオという青魚に分類される魚です。DHAやEPA、カルシウム、鉄などの栄養素が豊富なため、赤ちゃんの骨や歯の成長、脳の発達をサポートしてくれます。
えぐみが強い煮干しだしに対し、あごだしはクセが少なく、赤ちゃんにも食べやすい上品な甘みと旨みが特徴です。
鶏ガラだし
鶏ガラだしは、離乳食後期から取り入れることができます。
鶏の骨から取るだしであるため、コラーゲンやカルシウム、マグネシウム、亜鉛などの栄養素が豊富に含まれているため、赤ちゃんの皮膚や骨の成長を助ける役割を果たします。
鶏ガラだしは鶏肉が食べられるようになったら使い始めることができます。鶏肉でアレルギー反応が出た赤ちゃんへの離乳食に使うことは避けましょう。
魚や肉のだしは、まずは食材を食べることをはじめ、魚や肉の味に慣れてきてからだしとして活用することがおすすめです。
無添加・塩分なしのだしの選ぶ方
赤ちゃんはまだ消化機能が未発達のため、添加物や塩分の入っているだしは避けましょう。
手作りだしなら無添加であるため、赤ちゃんにも安心して食べさせることができます。市販だしを使用する場合は、原材料を確認して、添加物や塩分量の把握をしておくことがおすすめです。
だしは手作り?市販?それぞれのメリットと活用法

赤ちゃんのお世話は離乳食づくりだけではありません。そのため、「だしを取っている時間がない・・・」という方も多いはず。そんな時は、市販のだしに頼りましょう!
ここでは手作りだしと市販だしのそれぞれのメリットと活用法を紹介します。
手作りだしと市販だしのメリット
手作りだしと市販だしにはそれぞれにメリットがあります。
手作りだしのメリット | 市販だしのメリット |
---|---|
無添加栄養価が高い材料費が安い | 時間の節約長期保存できる |
手作りだしは材料費は安いですが手間がかかります。それに対し、市販だしは時短になりますが、手作りだしよりも栄養が少なくなる傾向にあります。また、大人用の市販だしには添加物や塩分が多く含まれている可能性があります。中には、無添加のものもあるので、離乳食に市販だしを使用する場合には、添加物などが入っていない無添加のものを選ぶことがおすすめです。
市販のだしを選ぶときは「無添加」「食塩不使用」「国産」を選ぶ
市販の無添加だしを選ぶときには「成分表」をチェックしましょう。
【離乳食に活用するだしには避けた方が良い成分】
- グルタミン酸ナトリウム
- 化学調味料
- 保存料
- 着色料
成分表を確認し、上記のような成分が入っているだしは離乳食用のだしには避けましょう。また、塩分が多すぎるものも離乳食用のだしにはふさわしくありません。「無塩」や「食塩不使用」と表記されているだしを選ぶことがおすすめです。
また、原産国をチェックすることも忘れずに!「国産」を選ぶことで、赤ちゃんに安心して食べさせることができます。
自宅で簡単に作れるだしのレシピ
自宅で簡単に作れるだしのレシピをご紹介します。
忙しい日はファーストスプーンのだしメニューもぜひお試しください。
昆布だし
- 昆布(5cm程度)を水に濡らして絞ったキッチンペーパーで拭く。
- 鍋に昆布と水1,000mlを入れて、15分から20分程度おいておく。
- その後、中火にかけ、沸騰する直前に昆布を取り出す。
かつお出汁の作り方
- 鍋に水600mlを入れ、沸騰させる。
- 沸騰した鍋に鰹節20gを入れ、再沸騰したら火を止める。
- キッチンペーパーで濾す。
煮干しだし作り方
- 鍋に煮干しと水500mlを入れ、30分〜1時間程度おいておく。
- その後、中火にかけ、沸騰直前で火を止める。
- 煮干しを取り出し、キッチンペーパーで濾す。
しいたけだしの作り方
- 鍋に乾燥しいたけと水500mlを入れ、30分〜1時間程度おいておく。
- その後、中火で温め、しいたけがふやけてきたら火を止める。
- しいたけを取り出し、キッチンペーパーで濾す。
だしを使った簡単レシピ|初期・中期・後期別のメニュー紹介
離乳食にだしを取り入れることで、食事のバリエーションを増やすことができます。
ここでは忙しいママにおすすめの、だしを活用した作り置きができるレシピやアレンジ方法をご紹介します。冷凍保存が可能なメニューなので、少し多めに作って冷凍保存しておくことがおすすめ!
離乳食初期におすすめのメニュー
だしお粥
【材料(1回分)】
- 10倍粥・・・50g
- 昆布だし・・・30ml
【作り方】
10倍粥に昆布だしを加えて混ぜれば完成。
にんじんとじゃがいものだし煮ペースト
【材料(4回分)】
- にんじん・・・¼本
- じゃがいも・・・小½個
- かつおだし・・・50ml
【作り方】
- にんじんとじゃがいもの皮をむき、小さめに切る。
- 鍋に適量の水を入れて、柔らかくなるまでゆでる。
- 柔らかくなったにんじんとかつおだしを合わせて、ペースト状になるまですりつぶす。
離乳食中期におすすめのメニュー
かぼちゃのだし煮
【材料(4回分)】
- かぼちゃ・・・⅛個
- かつおだし・・・50ml
【作り方】
- かぼちゃの皮をむいて小さく切る。
- 鍋にかぼちゃと適量の水を入れて、柔らかくなるまで煮る。
- 柔らかくなったかぼちゃをフォークでつぶし、かつおだしと混ぜ合わせる。(かぼちゃは粒が少し残る程度でOK!)
野菜うどん
【材料(4回分)】
- にんじん・・・40g
- 小松菜・・・葉の部分8枚
- うどん・・・
- かつおだし・・・400ml
【作り方】
- にんじん、小松菜、うどんは細かくみじん切りにする。
- 鍋にかつおだしと人参を加えて中火にかける。
- 沸騰したら弱火にし、ふたをして柔らかくなるまで5分程度煮る。
- 小松菜とうどんを加えてさらに2分煮る。
離乳食後期におすすめのメニュー
野菜と鶏団子の和風スープ
【材料(4回分)】
- にんじん・・・1/4本
- 大根・・・¼本
- 鶏むねひき肉・・・40g
- 絹ごし豆腐・・・40g
- 片栗粉・・・小さじ1
- しいたけだし・・・300ml
【作り方】
- にんじんと大根を細かくみじん切りにする。
- ボウルに鶏むねひき肉と絹ごし豆腐、片栗粉を加えてよく混ぜる。
- 鍋にしいだけだしを入れて中火にかけ、沸騰したら、1と一口大に丸めた2を鍋に入れる。
- 野菜が柔らかくなるまで、中火で5分程度煮たら完成。
忙しいときはベビーフードに頼る
忙しいときは無理をして手作りせずにベビーフードに頼りましょう。手作りに比べてコストは高くなりますが、忙しい時やしんどい時はしっかり体を休めることもママの仕事です。
ベビーフードをうまく活用しながら、離乳食づくりを楽しんでくださいね。
失敗しない!離乳食のだし保存と解凍のコツ

離乳食に取り入れるだしは、多めに作って小分け冷凍しておくことがおすすめです。
適切な保存方法で、だしを長持ちさせましょう。
だしの保存方法
だしを冷ましてから製氷皿や小分け容器に入れて、冷蔵・冷凍しましょう。
【だしの保存期間】
- 冷蔵の場合:1~2日
- 冷凍の場合:1週間程度
だしは長時間常温のまま放置すると殺菌が増える原因になるので、絶対にやめましょう。
冷凍しただしの解凍方法
冷凍しただしを美味しく安全に食べるためには、適切な解凍方法が大切です。
湯せんで解凍する方法
- 冷凍しただしを鍋に入れる。
- 弱火〜中火で温めて溶かす。
だしの風味を損なうので、沸騰しないように注意してください。
電子レンジで解凍する場合
- 耐熱容器に冷凍しただしを入れる。
- ラップをふんわりとかけ、600Wで20〜30秒加熱する。
様子を見ながら完全に溶けるまで温めましょう。急激に温めると風味を損なうので、10秒ずつ温めることが大切です。
一度解凍しただしは再冷凍禁止!
一度解凍しただしは、再冷凍すると雑菌が増える原因になるので、絶対にやめましょう。赤ちゃんが安心安全に食べられるように、適切に保存・解凍をしてくださいね。
まとめ
離乳食に取り入れるだしについて紹介しました。
離乳食でだしを取り入れることで、素材本来の味を引き立てつつも、旨みや風味をプラスすることができます。離乳食のレパートリーを増やすことができるため、赤ちゃんも食事をより楽しむことができます。
とは言っても毎日だしから取るのはママも難しいですよね。そんなときは作り置きをして冷凍保存しておくことや市販のだしに頼ることもおすすめです。
離乳食で調味料を使う時には、とにかく「薄味」を意識することが大切です。赤ちゃんの味覚は大人よりもとても敏感なので、大人が「薄いな」と感じる味付けでも、赤ちゃんはしっかりと味を感じています。
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毎日毎食「手作りをしなければ!」と気を張る必要はありません。忙しい時やちょっとツラい時には市販の離乳食に頼ることは悪いことではありません。むしろ、離乳食づくりの時間を削ったことで余裕が生まれ、「大切な我が子と遊べる時間が増えた」とポジティブに捉えましょう。
赤ちゃんもママも楽しい離乳食期を送れることを願っています。