赤ちゃんの味覚を育てる!離乳食の調味料はいつから?
生後5〜6ヶ月頃から始まる離乳食。今までは母乳やミルクで栄養を補っていた赤ちゃんが、少しずつ様々な食材から栄養を補い始めます。
そんな赤ちゃんにとって初めての離乳食ですが、ママにとっても離乳食作りは初めて。「離乳食作りで大切なことは何か」「調味料はいつから使えるのか」など、不安なことやわからないことが多いというママも多いはず。
そこで、離乳食で調味料が使える時期や適切な量、調味料の活用方法などを詳しく解説していきます。「3歳までに味覚が決まる」とも言われていますので、味覚を育てながら赤ちゃんが楽しく食べることができる離乳食をご紹介します。離乳食作りに悩まれている方の参考になれば幸いです。
味覚を育てる!調味料を使う量と選び方のコツ
離乳食で使う調味料選びに悩まれているというママもいますよね。私も3人の子どもを育てる母ですが、自分の命よりも大切な我が子へ食べさせる離乳食に使う調味料にはとても気を使い、どれが良いのかとても悩みました。
赤ちゃんの味覚はとても繊細です。そのため、この時期に味の濃いものや甘すぎるものを食べていると、味覚は育ちにくくなります。味覚を育てる離乳食作りのために、離乳食で調味料を使う際の量や選び方はとても大切です。
離乳食で使う調味料は安心安全なものを
大切な我が子が食べる離乳食には、安心安全なものを使いたいですよね。そこで、赤ちゃんが安心して食べられる調味料選びのポイントについて紹介します。
- 食品添加物が使用されていないものを選ぶ
- 塩分や糖分控えめのものを選ぶ
- 原材料は国産のものを選ぶ
- アレルギー成分を確認する
調味料を購入する時に、原材料名などの表示を見たことがないという方もいますよね。私もそうでした。しかし、添加物や塩分などが多く入っている調味料は、消化機能が未発達の赤ちゃんの身体には負担が大きいです。また、調味料の中にもアレルギー食材が含まれていることがあります。そのため、調味料を購入するときは表示をしっかりと確認するようにしてみてくださいね。
しょうゆやみそはアレルギーに注意
「調味料にアレルギーなんてあるの?」と思われる方もいますよね。実は、調味料の中にもアレルギーを引き起こす可能性があるものがあります。それはしょうゆとみそです。
しょうゆとみそには大豆が含まれています。大豆は、消費庁により表示が推奨されているアレルギー食材の一つです。
離乳食で初めてしょうゆやみそを使う場合は、ごく少量で試し、赤ちゃんにアレルギー反応が出ないかしっかりと様子を見てあげてくださいね。
※醤油や味噌の大豆アレルギーは、他の大豆製品と比較した際にリスクが低いと言われていますが、初めて食べさせる食材はアレルギーに注意しましょう。
ハチミツは1歳を過ぎてから
ハチミツには、ボツリヌス菌が混入している可能性があります。乳児はボツリヌス症を引き起こす可能性があり、命に関わることがあります。そのため、ハチミツは1歳未満の赤ちゃんには絶対に与えないようにしてください!
素材の味を引き立てる!手作りだしの活用
近年、スーパーやドラッグストアなどで様々なベビーフードやベビー用調味料が販売されているのを目にしますよね。ベビー用のコンソメやだし汁、カレー粉など様々で、これらを活用することで離乳食のレパートリーが増えること間違いなし!
ベビー用の調味料は赤ちゃんが食べられるように、塩分や糖分がカットされているため、安心な上、簡単にいろいろな味付けをした離乳食が作れるのです。これらを常備しておけば、毎日赤ちゃんのお世話で忙しいママの味方になってくれますよ。
また、手作りだしは離乳食中期から使用することができ、素材本来の味を引き立たせながらも旨味をアップさせてくれます。そこで、簡単に作れるだしの作り方について紹介します。
昆布だしの作り方
- 昆布(5cm程度)を水に濡らして絞ったキッチンペーパーで拭く。
- 鍋に昆布と水1,000mlを入れて、15分から20分程度おいておく。
- その後、中火にかけ、沸騰する直前に昆布を取り出す。
※希釈して使用しましょう。
かつお出汁の作り方
- 鍋に水600mlを入れ、沸騰させる。
- 沸騰した鍋に鰹節20gを入れ、再沸騰したら火を止める。
- キッチンペーパーで濾す。
作った昆布だしやかつお出汁は、フリージング容器に小分けして冷凍しておけば、使いたい時に使いたい分だけ解凍すれば簡単に使用することができます。時間がある時に多めにストックとして作っておけば、だしを作る手間も省けておすすめ!
もちろん、手作りのだしにこだわる必要は全くありません。赤ちゃんの機嫌が悪かったり、何だか疲れて離乳食を作る気になれない・・・なんていうこともありますよね。そんな時は、思い切って市販のだし汁やベビーフードに頼ってみてください!それだけでもママの負担は随分減ります。
私は一人目の育児中、わからないことが多く、育児本などを参考にして子育てをしていました。育児本に書いてあることを真に受け、「こうしなくちゃいけない」「手作りの離乳食が良い」などという思い込みが生まれ、いつも時間に追われイライラしていました。その私のイライラが子どもにも伝わっていたのか、機嫌が悪い我が子を抱っこ紐でおんぶしながら離乳食作りをしていたことを覚えています。
もちろんママの手作りの離乳食は愛情が伝わる温かいものです。しかし、ママがしんどい日ややる気が出ない日は市販のものに頼っても良いのです。そうすることで、ママ自身に余裕ができ、赤ちゃんとの時間が長く取れたり、ゆったりとした気持ちで過ごすことができたりします。
ママの笑顔が赤ちゃんの笑顔にも繋がるのです。
離乳食の味付けスタート時期と使える調味料の目安
赤ちゃんは消化機能が未発達です。そのため、離乳食期には消化機能の発達に合った食材や調味料を使い、適切に調理してあげることが大切です。
そこで、離乳食で調味料を使用する際の進め方について詳しく解説していきます。
離乳初期(生後5〜6ヶ月ごろ)
生後5〜6ヶ月ごろになると、大人の食事に興味を示すようになってきます。支えがあればお座りができるようになり、パパやママが食べているものをじっと見ていたり、パパやママが食べている姿を見て赤ちゃんも口をもぐもぐと動かし始めたりするなどしたら、離乳食開始のサインです。
まずは、アレルギーの心配がない10倍粥を小さじ1からはじめ、うどんや食パン、ビタミン類の食材などを裏ごししたり、すりつぶして滑らかな状態にして食べさせるようにします。開始1ヶ月ころになり赤ちゃんがゴックンすることに慣れたら、少しずつ粒を残したものを食べさせるようにしていきます。
この離乳初期は、基本的に調味料を使う必要はありません。離乳食に使う野菜を茹でた時に残った茹で汁を野菜のだし汁として10倍粥に少量かけたり、スープとして使用することがおすすめです。また、手作りの昆布だしを野菜ペーストに少量加えることもおすすめです。
離乳中期(生後7〜8ヶ月ごろ)
離乳中期から、1回食から2回食になります。離乳初期は、ペースト状にしたものが基本でしたが、離乳中期からは、徐々に水分を減らして、少し粒を残す程度にすりつぶしたものや、柔らかく茹でた野菜などをみじん切りにしたものなどを食べさせ、上あごで押しつぶして飲み込む練習をしていきます。
この時期もまだ基本的に調味料を使う必要はありません。素材本来の味や野菜だし、昆布だしなどの味をじっくりと味わわせてあげてください。
また、かつお出汁で旨味をアップさせることもおすすめです。かつお出汁は香りが良く、野菜との相性も抜群です。手作りのかつお出汁はもちろん、市販のベビー用かつお出汁を使用してママの負担を減らすのも良いですね。
こちらの記事ではかつおぶし(鰹節)を離乳食へ取り入れる際のポイントをご紹介しておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。
離乳後期(生後9〜11ヶ月ごろ)
離乳後期から、1日3回食になります。この時期になると、食べ物を舌でつぶすだけでなく、口をもぐもぐと動かして歯茎でつぶし飲み込むことができるようになります。
この時期になると本格的に調味料を使えるようになります。しかし、まだまだ消化機能は発達していないので、使える調味料の量は大人の約4分の1程度です。薄味を基本とし、1回の離乳食で、みそ、しょうゆ、塩などいろいろな味付けをすることで、赤ちゃんも食事に満足してくれます。
【離乳後期から使える調味料】
- 砂糖
- 塩
- バター・マーガリン
- しょうゆ
- みそ
- マヨネーズ
- サラダ油
- ごま油
- オリーブ油
- メープルシロップ
- ベビー用コンソメ
離乳完了期(1才〜1才6ヶ月ごろ)
離乳完了期になると、卒乳する赤ちゃんも増え、離乳食から栄養を取る時期になります。歩けるようになったり、活発に動きエネルギーをたくさん使う時期でもあるため、1日3回の食事で補いきれない栄養素をおにぎりなどの補食で補います。
いろいろな調味料を使用し、味付けを変えることで、赤ちゃんの食べる意欲をアップさせましょう!頑張って作った離乳食を完食してくれると、ママの離乳食作りへのやる気もアップしますよね。
【離乳完了期から使える調味料】
- ケチャップ
- ベビー用カレー粉
塩分に気をつけよう
上記のように、離乳後期〜離乳完了期になると様々な調味料を使える時期になりますが、摂取する塩分量には注意してください。
【1日の塩分目標量】
- 生後6〜11ヶ月:1.5g
- 1〜2歳:3g未満
【調味料ごとの食塩相当量の目安】
- しょうゆ(小さじ1):0.9g
- みそ(小さじ1):0.9g
- マヨネーズ(小さじ1):0.1g
- 有塩バター(小さじ1):0.1g
塩分は母乳にも含まれています。そのため、離乳後期までは調味料の量はごく少量で薄味にし、離乳完了期以降も大人の味付けの半分〜それよりもさらに薄味にすることを心掛けてください。
人気の離乳食で学ぶ!味付けのポイントと注意点まとめ
離乳初期や中期は、基本的に調味料を使う必要はありません。野菜や昆布、かつおなどを使っただし汁を少量使う程度にし、素材本来の味を味わわせてあげましょう。
離乳後期になると、1回の食事でいろいろな味付けをした離乳食を用意してあげることで、赤ちゃんも食べることを楽しんでくれます。
しかし、離乳食後期以降も、基本は薄味です。しっかりと食べてくれるようになると、「大人と同じものを食べられるのでは?」とついつい大人の食事を与えてしまいそうになりますよね。
赤ちゃんは大人よりも味にとても敏感です。大人の味付けは赤ちゃんにとっては濃すぎます。濃すぎる味付けのものを食べさせ続けると、味覚は正常には育ちません。将来の生活習慣病に繋がるなど、身体にも良くないので、とにかく薄味を意識してみてください。離乳食期の味覚が将来の我が子の健康にも繋がるのです。
ベビー用調味料を使う
ベビー用コンソメやカレー粉などを活用することもおすすめです。通常のコンソメやカレー粉は塩分も多く香辛料などが使われていますが、ベビー用のこれらの調味料は塩分がカットされていたり、香辛料が使われていなかったり、赤ちゃんでも安心して使えるようになっています。
スーパーやドラッグストアなどでも手軽に手に入る調味料なので、これらを上手く活用して離乳食づくりをすることもとてもおすすめです。
離乳後期は大人の食事を取り分けることもおすすめ
栄養バランスを考え、味付けを工夫した離乳食づくりをすることは大切なことですが、毎日3食大人の食事と赤ちゃんの離乳食を手作りすることはママにとってはとても大変ですよね。そんなときは、大人の食事から取り分けることもおすすめです。
焼いたり炒めたりした食材に味を付ける前に取り出し、食べやすい大きさに切ってあげれば別メニューを考えなくても済みます。煮物については、大人の味付けは赤ちゃんには濃すぎるため、離乳食用に水で薄めてあげることがおすすめです。
離乳食の味覚学習をサポートする調味料活用法
離乳後期になると、本格的に調味料を使えるようになります。離乳食に慣れてきた赤ちゃんは、素材の味だけでは物足りなくなり、今まで食べていた離乳食もこの頃になると急に食べなくなる、なんていうことも少なくありません。
実は、私も、子どもが生後9ヶ月ごろに、今まで食べてくれていた離乳食を急に嫌がるようになったという経験をしたことがあります。健診の時に保健師さんにそのことを相談したところ、「この時期になると味付けをしたものを好むようになるから、少し調味料を使って味付けをしてみては?」とアドバイスをもらいました。
それまでは、ずっと野菜を茹でたときの茹で汁やだし汁などを中心に離乳食を作っていたのですが、保健師さんのアドバイスを受けてから、少ししょうゆやみそ、砂糖などで味付けをして離乳食を作るようにしました。すると、喜んで食べてくれるようになったのです。
しかし、だからといって、味付けを濃くすることはNG。濃い味付けは赤ちゃんの身体への負担が大きいのはもちろん、味覚も育ちにくくなります。薄味を基本とした味付けをし、味覚を育てながら、赤ちゃんが楽しめる離乳食づくりを心がけてみてください。
味覚を育てる!手作りだし汁を使った野菜スープや煮物
昆布やかつおを使っただし汁は、食材の素材本来の味を大切にしながらも旨味をアップさせてくれる万能な調味料です。そのため、柔らかく茹でた野菜にだし汁を加えるだけで、旨味引き立つ野菜スープや煮物が完成します。
また、うどんにだし汁を加え、野菜や肉を加えれば、簡単に煮込みうどんが完成します。だし汁を上手く使うことで、離乳食のレパートリーが増えること間違いなし!
盛り付けを工夫して楽しみながら味覚を育てる
彩りが良い食事は、見た目もキレイで赤ちゃんの食べる意欲が高まります。だからといって、毎日毎食盛り付けにこだわっているとママも疲れてしまいますよね。
凝ったことをする必要はなく、緑黄色野菜を使うことを意識し、かわいい型などでごはんを型取り盛り付けるだけで、華やかな離乳食の献立ができます。
また、卵焼きや人参を花形や星型などの可愛い型で抜いたり、ハンバーグをハート型にしてあげるだけでも見た目が可愛く、赤ちゃんは楽しみながら食べてくれます。
離乳食は毎日毎食食べるものなので、ママが疲れないよう、頑張りすぎずに離乳食作りをしてくださいね。
赤ちゃんが食べやすい離乳食を作るポイントとおすすめレシピ
赤ちゃんが食べやすい離乳食を作るポイントやおすすめのレシピをご紹介します。
忙しくて離乳食を1から手作りする時間がないといった場合にはFirstspoonの離乳食もぜひ活用してみてください。
離乳食の食材選びのポイント
離乳食に使う食材を選ぶときは、彩りを意識して、1回の食事でいろいろな色の食材を使うことを心がけると、自然と栄養バランスの取れた献立に仕上がります。彩りの良い食事は、見た目も良く、赤ちゃんの食べる意欲も高まります。
離乳食で使うのは避けたい食材
- ハチミツ
- 豆・ナッツ類(硬い豆)
- 餅
- 繊維の多いもの
- 生食
ハチミツは1歳未満の子どもには絶対に与えないようにしてください。(ハチミツ入りの食べ物もNG)私も子どもが生まれてから気付いたことなのですが、食パンなどにもハチミツが使用されていることがあります。ハチミツが使われている食材は全てNGなので、ハチミツが使われていないか表示をよく確認するようにしてくださいね。
また、豆・ナッツ類(硬い豆)は喉に詰まらせ、窒息する可能性があるため、5歳を過ぎるまではあげないようにしましょう。繊維の多いものや餅についても、うまく噛み砕くことができずに、喉につまらせてしまう可能性があるため、離乳食では使わないようにしてください。
赤ちゃんの消化機能は未発達であるため、大人よりも食中毒にかかるリスクも高いです。そのため、刺し身や寿司などの生モノも絶対に与えないでください。
簡単に作れる!人気の離乳食レシピ(離乳後期〜)
手づかみ食べにおすすめ!じゃがいものおやき
【材料(2個分)】
- じゃがいも・・・10g
- 片栗粉・・・適宜
- バター・・・少々
- 粉チーズ・・・少々
【作り方】
- じゃがいもはやわらかく茹で、すりつぶす。
- ボウルに1と片栗粉、粉チーズを入れてよく混ぜ、2等分にして少し平らに丸める。
- フライパンにバターを熱し、2の両面を焼色がつくまで焼く。
余っている粉ミルクを活用することもおすすめ!
母乳やミルクから栄養を補っていた赤ちゃんは、離乳食が進むにつれて、ミルクの量が減っていきます。そのため、「粉ミルクが余って困っている」というママも多いのではないでしょうか?そんなときは、ぜひ、離乳食の味付けとして粉ミルクを使用してみてください!ミルクの味は赤ちゃんが慣れ親しんできた味ですので、好んで食べてくれますよ。
粉ミルクで作る!白身魚と野菜のリゾット(離乳食後期)
【材料(1人分)】
- ごはん・・・子ども用茶碗1杯分
- 白身魚・・・10g
- 人参・・・10g
- ブロッコリー・・・10g
- 玉ねぎ・・・10g
- じゃがいも・・・10g
- 粉ミルク・・・小さじ2
- 粉チーズ・・・小さじ½
- 水・・・200ml
【作り方】
- 人参、ブロッコリー、玉ねぎ、じゃがいもをみじん切りに切る。
- 耐熱容器に白身魚を入れ、600Wで50秒加熱する。
- 鍋に1と2、ごはん、水を入れて15分ほど弱火で煮込む。(やわらかさに合わせて加熱時間は調節してください。途中で水分がなくなったら、水を足してください。)
- 粉ミルクを加え、煮立ったら器に盛る。
- お好みで粉チーズをかけて完成。
まとめ
離乳食で味覚を育てる調味料について紹介しました。
離乳食で調味料を使う時には、とにかく「薄味」を意識することが大切です。赤ちゃんの味覚は大人よりもとても敏感なので、大人が「薄いな」と感じる味付けでも、赤ちゃんはしっかりと味を感じています。
食材の素材本来の味を楽しむことを大切に、うまく調味料を活用して、赤ちゃんの食べる意欲をアップさせましょう!赤ちゃんもママも離乳食期を楽しめることを願っています。
ファーストスプーンでは離乳食にまつわる記事をアップロードしています。気になる記事があればもう1記事ご覧いただけますと幸いです。
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