蒸し料理に欠かせない「せいろ」。食材にほのかに竹や木の香りが移り、調理器具を変えるだけで普段の料理がワンランクアップします。さらに大人用のごはんと同時に調理できるため、忙しい時期でも手軽にバランスよく食材を取り入れられてます。
今回は、離乳食でせいろをいつから使えるのか、初期におすすめの野菜、大人ごはんと同時に作るコツ、日々のお手入れ方法まで詳しく解説します。
せいろを上手に活用して、無理のない楽しい離乳食ライフを過ごしましょう。
離乳食作りにせいろを使う4つのメリット

せいろとは木材や竹で作る網籠のようなものに熱源から水蒸気を入れて、間接的に食材を加熱する器具です。主に肉まんや小籠包などの中華料理の点心や赤飯やおこわ・温野菜を蒸すなどの用途で活用されます。メリットは下記の通りです。
野菜の甘みが引き立ち栄養が残りやすい
いも類、根菜類、果菜類、葉菜類の調理法別の比較では、低温スチーミング調理(蒸し)は茹でに比べて糖やビタミンCの残存率が高かったことが示唆されています(1)。
個人的な感想としても茹でたさつまいもに比べて蒸したものの方が甘く感じております。
芋類やかぼちゃなどのでんぷん質を多く含む野菜は蒸した方が美味しく食べられておすすめです。
まとめて蒸して冷凍ストックが一気に作れる
肉や野菜を段を分けてまとめて蒸すことができるため、一気に複数種類の冷凍ストックを作ることができます。
下段に肉類、上段に野菜と分けることで肉の脂が混ざることなく、型崩れせず綺麗に加熱できる点が良いです。
大人のおかずと離乳食が一台で同時に完結する
離乳食で最も面倒なポイントは大人向けのおかずと離乳食を作る手間がかかる点です。忙しい中、調理工数が倍に増えて負担を感じる方も多いと思います。
厚生労働省が実施した、離乳食について困ったことのアンケートでも「作るのが負担、大変」と答えた方が33.5%と多い値でした(2)。
せいろを使えば、大人向けの食材と赤ちゃん向けの食材で分けて調理することができます。例えば、下味を付けずに加熱して、大人向けはドレッシングやポン酢などで味付けをして、赤ちゃん向けは細かく刻んだり、クッキングシートで区切ったり、下段に大人向けなどゾーン分けをして加熱するなど様々な工夫ができます。
器具が普段使いできる
離乳食専用の器具に比べてせいろは、普段使いできる点も大きなメリットと言えるでしょう。
竹や木材を使うためカビないように手入れが必要ですが、保存状態が良ければ長く使えます。蒸し料理全般に活用できてお得です。
【月齢別】せいろで作る離乳食のレシピとおすすめ食材
離乳食初期のアイディア
| おすすめ食材 | 調理方法 |
| ジャガイモ | 皮を剥き1cm幅でカットして20〜30分程度加熱する。 ※菜箸ですっと入る程度が目安です。 |
| さつまいも | 皮を剥き1cm幅でカットして25~30分程度加熱する。 ※ある程度カットした方が火が通りやすいです。 |
| かぼちゃ | 皮を剥かず銀杏切り、くし切りにカットして20〜30分程度加熱する。※皮が固いためスプーンで削ぐように分離すると簡単です。 |
離乳食中期のアイディア
| おすすめ食材 | 調理方法 |
|---|---|
| 白身魚(鱈・鯛など身がほぐれやすいもの) | 10分程度加熱する。下に葉物野菜を敷くと、出汁が葉物に残って美味しく仕上がる。 |
| 鶏肉(胸やささみ、皮を外したもも肉など) | 小分けにカットして10〜15分程度加熱する。 |
離乳食後期・完了期のアイディア
| おすすめ食材 | 調理方法 |
| にんじん(手掴み食べ) | にんじんをスティック状に切り分けて、出汁や調味料などを混合した調味液でマリネする。柔らかくなるまで加熱する。 |
| ブロッコリー(手掴み食べ) | ブロッコリーを切り分けて、出汁や調味料などを混合した調味液でマリネする。柔らかくなるまで加熱する。 |
時短が叶う!せいろを使った実践テクニック
耐熱容器やシリコンカップを使って小分け調理
蒸し調理は電子レンジでの加熱と比べると時間がかかります。蒸気を塞ぎすぎないように少し間隔を開けてシリコンカップに具材を移すとまとめて少量の食材を加熱できて便利です。
大人向けと子どもをまとめて作るアイディア
| おすすめ食材 | 調理方法 |
| 大人:冷凍小籠包・水餃子、葉物 子ども:真鯛の刺身、小松菜 | 下段に大人向けの食材を敷き、上段に子ども向けに真鯛とアクを抜いた小松菜を置く。刺身や小松菜に火が通ったタイミングで取り出す。 大人向けの解凍がまだの場合は、上段を外して加熱する。 |
| 大人・子ども:鶏むね肉 | 鶏むね肉を一口サイズにカットしてせいろで蒸す。 大人向けに醤油や酢、ラー油、ねぎや生姜を刻みタレを用意する。大人向けはタレをかけて、子ども向けをほぐしてそのまま提供する。 |
失敗しないせいろの選び方
サイズは18〜21cmのものがおすすめ
使う頻度や食べる人数が限られている場合は、小さいものを使うと良いでしょう。またIH対応の鍋付きのものがあるとせいろの安定感が増します。
素材を選ぶ
竹や木材の他にステンレス製の商品があります。竹や木材で蒸したような香りが欲しい場合は、竹や木材がおすすめです。熱以外の方法で洗剤で頻繁に洗う場合は、耐久性のあるステンレス製を選びましょう。
持っておくと便利なアイテム
せいろは鍋に水を入れて蒸気で加熱する構造になっています。鍋とせいろがズレたり、ひっくり返らない様に調整する必要があります。せいろと鍋やフライパンをズレない様に固定する蒸し板があると便利です。
初心者でも安心!せいろのお手入れの方法
竹や木材のせいろは洗剤で洗えない
竹や木材に洗剤の匂いが付くため、せいろを洗剤で洗うことはNGとされています。
キッチンペーパーや蒸し布を使ってせいろを汚さない様に工夫しましょう。使い終わったら水洗いし、拭き取ってから風通しの良い場所で乾燥させてください。
蒸す水に味を付けない
蒸す水に調味料を混ぜ込む事はNGです。せいろの竹や木材が痛む原因になります。また匂いが付くと次の料理に移ってしまい美味しく仕上がりません。
カビない保存方法
通気性の良い場所に保存しましょう。匂いがついてしまった時は陰干しをすると良いです。ドライヤーや食洗機などの温風で乾燥させると竹や木材が歪んでしまうため天日で乾燥させましょう。
どうしても魚・肉類の匂いが気になる場合は無香料の中性洗剤を少し付けて洗いましょう。
衛生面が気になる場合
雑菌が気になる方も多いと思われます。そんな時は軽く空焚きをしてから使うか、気軽に洗浄できるステンレス製のせいろを使うと良いでしょう。
まとめ
今回は離乳食におけるせいろについてまとめてみました。手入れが少し必要ですが、美味しく仕上がるのでおすすめです。衛生面が気になる場合は、ステンレスの容器を使うなど想定のシーンに合わせて選んでみてください。
ファーストスプーンでは離乳食にまつわる記事をアップロードしています。気になる記事があればもう1記事ご覧いただけますと幸いです。
参考文献
1)山崎貴子, 伊藤直子, 岩森大, 堀田康雄, 村山篤子. 低温スチーミング調理による植物性食品の成分と食味の変化. 日本食生活学会誌. 2008;19(3):193-201.閲覧日.2026年08月18日.URL:
2.厚生労働省:授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)