離乳食にしらすは使ってもよい?与えてもよいタイミングや栄養素など
赤ちゃんでも食べられる魚類といえば、しらすを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。しらすには、赤ちゃんの成長に必要な栄養素が豊富に含まれているため、離乳食に利用するのがおすすめです。
しかし、どのような時期に、どれくらいの量を赤ちゃんに食べさせればよいのか分からないという方もおられるでしょう。
そこで今回は、離乳食作りにおすすめの食材であるしらすについて、食べさせてもよい時期や量、レシピについてご紹介していきます。
しらすはいつから食べさせてもよい?
しらすは、生後5~6ヶ月にあたる離乳食初期の時期から食べさせることが可能です。ただし、離乳食を開始して、赤ちゃんが食べることに慣れてきた約1ヶ月後から、食べさせ始めるのがおすすめです。
しらすは、魚類の中でも、皮や骨を取り除かなくても食べることができるため、離乳食作りの強い味方になってくれます。
ただし、しらすには塩分が含まれるため、塩抜きしてから調理することをおすすめします。熱湯をかけるだけでも塩抜きができるため、大きな手間にはなりません。
初期では、しらすを耐熱容器に入れて加熱した後に、すり鉢などでなめらかになるまで潰したものをあげるのがおすすめです。裏ごししてもOKです。
中期や後期になれば、白菜やほうれん草など、ほかの食材と組み合わせて調理すると、効率よくさまざまな栄養素を摂取することができます。
最初は小さじ1杯程度から食べさせ始め、赤ちゃんの様子を見ながら、徐々に量を増やしていきましょう。
しらすとちりめんじゃこはどう違う?
しらすとちりめんじゃこの違いが分からないという方は、少なくないでしょう。実は、加工方法が異なるだけで、どちらも原材料はイワシの稚魚です。
しらすは、茹でて湯切りしたもので、水分量は85%ほどです。一方、ちりめんじゃこは、しらすをしらす干しにして、さらに乾燥を進めたもので、水分量は25~35%ほどです。
そのため、離乳食には柔らかいしらすを使うほうが適しています。
しらすの栄養素
しらすには、カルシウムやマグネシウム、ビタミンDなどの栄養素が含まれています。カルシウムは、骨や歯を構成する成分であるため、十分に摂取することで丈夫な骨や歯をつくることができます。
さらに、マグネシウムは、カルシウムが骨や歯に適切に行き届くように調節する働きがあり、ビタミンDはカルシウムの吸収率を高める働きがあります。カルシウムやマグネシウム、ビタミンDは、骨や歯の成長が著しい赤ちゃんに欠かせない栄養素だといえます。
さらに、しらすにはエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸も含まれています。エイコサペンタエン酸は血液をサラサラにする働きがあり、病気の予防に役立ちます。
また、ドコサヘキサエン酸には、神経細胞の発育・機能維持に関与しており、記憶力や判断力・学習能力の向上にも役立つため、赤ちゃんの頃からしっかり摂取することをおすすめします。
しらすのアレルギーについて
しらすそのものにアレルギーを発症する赤ちゃんは、多くはありません。しかし、しらすはエビやカニをエサとしているため、エビやカニにアレルギーがある場合には、注意が必要です。
しらすに含まれるエビやカニは非常に小さいものであり、重いエビ・カニアレルギーを起こす人以外は、一般的にはしらすをそのまま食べても問題ありません。
しかし、万が一のことを考慮して、初めて赤ちゃんにしらすを食べさせるときは、病院が開いている平日の午前中にしましょう。また、小さじ1杯程度から食べさせ始めましょう。
しらすのコンタミネーションについて補足
しらす(カタクチイワシやマシワシの稚魚)を捕獲する海域には、エビやカニが含まれる場合があります。細い網を使い魚群を漁獲する都合上、一定数存在するリスクです。
原則として異物は除去されていますが、しらすの体内に捕食した残存物が存在するケースやエビ、カニ、タコ、などの小さな生物が混入する「異物混入(コンタミネーション)」が起こる可能性があります。
そのためしらすなどを使用した商品には、ほぼ必ず注意喚起表示あり、甲殻アレルギーなど重篤なアレルギーがあるお子様がいる方やなどは、一括表示以外の注意喚起も確認して商品を購入するようにしましょう。
他には、かまぼこに同様の表記や二枚貝(アサリやハマグリ)にカクレガニが含まれるケースなどが存在します。
離乳食期ごとのおすすめの与え方
離乳食の時期によって、しらすの形態や食べさせる量が異なります。ここからは、時期に応じたおすすめの与え方について、解説していきます。
離乳食作りでとくに気になる硬さについては、生後5~6ヶ月にあたる離乳食の初期では、ヨーグルトのようになめらかなペースト状の硬さを目安に調理します。
生後7~8ヶ月にあたる中期では、豆腐のような、舌で潰せるくらいの硬さが目安となります。しらすをみじん切りにしたものでOKです。
生後9~11ヶ月にあたる後期では、バナナくらいの硬さ、すなわち歯茎で潰せるくらいの硬さが目安であり、粗みじん切りにしたものをあげましょう。
生後12~18ヶ月にあたる完了期では、肉団子のように、歯茎で噛める程度の硬さを目安に調理します。
量の目安
離乳食の初期では、離乳食用のスプーンに1杯~小さじ1杯程度の量がおすすめです。中期では、約大さじ1杯(10~15g)を食べさせてOKです。後期では、15g程度を目安に食べさせましょう。
離乳食に使うときは塩抜きが必要
赤ちゃんには薄味のものを食べさせる必要がありますが、しらすには塩分が含まれています。そのため、調理前には塩抜きをしましょう。
使用する分のしらすを耐熱容器に入れて、すべてにかかる量の熱湯を注ぎ、2~3分置きます。茶こしやザルにあげて水気を切った後、再度熱湯を回しかければOKです。
しらすの冷凍保存について
しらすは、冷凍保存することができます。離乳食で一度に使う分を小分けに冷凍保存しておけば、毎日の食事の用意が楽になります。
塩抜き後にすり潰すなどして調理したものを、小分けできる容器に入れて、蓋をして冷凍しましょう。冷凍したものは、1週間を目安に食べきることをおすすめします。また、解凍するときは、1食分を皿に取り出して、ラップをしてレンジで加熱すればOKです。
離乳食におすすめのレシピ
ここからは、しらすを使ったおすすめのレシピを紹介していきます。
離乳食初期(5~6ヶ月)に「しらすペースト」
<材料(2食分)>
- しらす(塩抜きしたもの) 10g
- 水 約10g
<作り方>
- 耐熱容器にしらすと水を入れ、ラップをふんわりかけて、電子レンジ(500W)で30~40秒ほど、様子を見ながら加熱する。
- 茶こしなどで、なめらかになるように裏ごしをしたら、完成
離乳食中期(7~8ヶ月)に「しらすマッシュポテト」
<材料(1食分)>
- しらす(塩抜きしたもの) 小さじ1
- じゃがいも 20g
- 出汁 大さじ1/2~大さじ1
<作り方>
- じゃがいもは皮を剥いて茹で、温かい内に潰しておく。しらすはみじん切りにしておく。
- しらすと出汁を加えて混ぜ合わせる。出汁の量を調整しながら、食べやすい硬さになったら完成。
<ポイント>
中期は「舌で潰せる」くらいの硬さが目安です。出汁を少しずつ加えて、適した硬さに仕上げましょう。
適した硬さに調整するのが難しい場合には、ファーストスプーンの「北限のしらすとグリンピース入りマッシュポテト(7~8ヶ月)」を使うのがおすすめです。
グリンピースのペーストも入っているため、彩り・栄養価も高いのが特徴です。お粥に混ぜ込む、あるいはほかの野菜をプラスして食べることもできます。材料はすべて国産であるため、赤ちゃんにも安心して食べさせることができます。
離乳食後期(9~11ヶ月)に「しらす入りスープ」
<材料(1食分)>
- しらす(塩抜きしたもの) 15g
- じゃがいも 10g
- 人参 5g
- 出汁 大さじ3
<作り方>
- しらすは粗めのみじん切りにしておく。じゃがいも・人参は皮を剥いて、7~8mm程度の厚さで角切りにして、茹でておく。
- 鍋にしらす・じゃがいも・人参・出汁を入れて加熱し、ひと煮立ちさせる。野菜が柔らかくなったら完成
<ポイント>
しらすには旨味も凝縮されているため、味付けがなくても美味しく食べることができます。
材料をカットする手間を省きたい方には、ファーストスプーンの「北限しらすのミネストローネ(9~11ヶ月)」がおすすめです。
コーンやズッキーニ、トマトなど、さまざまな野菜が入っているため、便秘気味の赤ちゃんにも適しています。具材がしっかり入っているため、食べごたえもあります。トマト味で食べやすく、食べムラがある赤ちゃんにもおすすめです。
まとめ
今回は、離乳食にしらすを取り入れることができる時期や、離乳食の時期に応じた形態・量について解説しました。しらすは、塩抜きをする必要はありますが、皮や骨を取り除く手間がないため、離乳食づくりでも手軽に使える食材です。
また、カルシウムをはじめ、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸など、赤ちゃんの成長に必要な栄養素が豊富に含まれていることも、うれしいポイントだといえます。
しかし、毎日離乳食づくりをするのは、大変な苦労をともないます。大人の食事と違って、どうしても調理工程が多いため、時間がかかるでしょう。
そんなときは、ファーストスプーンの離乳食を利用しましょう。材料はすべて国産であり、地元宮城県の厳選された水を使っているため、赤ちゃんにも安全・安心です。ファーストスプーンが気になる方は、ぜひ商品ページをご覧ください。
お問い合わせはこちら
監修
管理栄養士 料理家 片村優美
管理栄養士兼料理家です。レシピを作ったり、記事を書いたりしています。
野菜をたっぷり使った健康的な料理が好きで、テーブルコーディネートや撮影までを自分で行っています。
栄養はもちろんのこと、心理効果や美味しさなど食の4次機能を伝えていきたいです。