手づかみ食べとは?始め方のメニューや注意点を解説
離乳食後期に入ると、赤ちゃんが自分の手でつかんで食べる「手づかみ食べ」を始めるようになります。
一方で「いつから始めたらよいかわからない」と悩む方もいるでしょう。この記事では、手づかみ食べの始め方や、手づかみ食べにおすすめのメニューなどについて解説します。
また、片付けなどのストレスを軽減する方法や、注意点なども紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
手づかみ食べとは?
手づかみ食べとは、離乳食後期の生後9ヶ月あたりから始まることの多い、赤ちゃんの食べ方を指します。また、この時期は「自分でやりたい」という欲求が出てくるタイミングでもあります。
そのため、単なる食事方法のステップアップではなく自分でごはんを食べるという自発的行動の成長につながることから、積極的に取り入れていきたい食べ方のひとつです。
目・手・口を使った協調運動
手づかみ食べは「食べ物を目で確認して・手でつかんで・口に運び入れる」の3ステップからなる食べ方です。 食べ物を目で確認することで位置や大きさ、形などを確かめられ、手でつかむことで食べ物の温度や固さ、力の入れ加減の感覚を養います。
また、口に運び入れる行為は、おしゃぶりやおもちゃなどを舐める「口と手の協調運動」の経験が生かされます。
これらの動作を行うことで協調運動の練習となるため、後々のなわとびやボール遊びなどの協調運動にもつながるでしょう。
摂食機能の発達に重要
手づかみ食べは、乳児の摂食機能の発達にも重要とされています。
上記の協調運動を繰り返し行うことで、食べ物に対する認知も向上し、触覚をはじめとする五感を活用することで、その後の「食べる」という行為そのものの習熟度が増していきます。
以下は、厚生労働省『授乳・離乳の支援ガイド』(2019年3月発行)内の「2 離乳の支援の方法《離乳後期(生後9か月~11 か月頃)》」より引用したものです。
手づかみ食べは、生後9か月頃から始まり、1歳過ぎの子どもの発育及び発達にとって、積極的にさせたい行動である。食べ物を触ったり、握ったりすることで、その固さや触感を体験し、食べ物への関心につながり、自らの意志で食べようとする行動につながる。
厚生労働省『授乳・離乳の支援ガイド』(2019年改定版)
このように、手づかみ食べは摂食機能の発達に貢献するだけでなく、食そのものへの関心を高める効果も期待できる、とても重要な行為なのです。
手づかみ食べはいつから?
主に離乳食後期から行います。生後9ヶ月あたりから始めていくことが一般的ですが、子どもの成長には個人差もあるため「うちの子はもう始めても大丈夫かな?」と悩んでしまう方もいることでしょう。
手づかみ食べを始める際の目安は、主に以下の行動があります。
- 歯ぐきでつぶせる固さの離乳食が食べられる
- 自分から食べ物に触ろうとする
手でつかんで食べられるものは、茹でた野菜やバナナ、食パンなどの固さのものです。これらの固さの食べ物が食べられるようであれば、手づかみ食べを始められます。一方、おかゆ状のものを食べている段階では、もう少し様子を見てもよいでしょう。
また、自分から食べ物に触ろうとするしぐさも、手づかみ食べを始める目安のひとつです。
「自分で触りたい」や「自分で食べたい」という気持ちが強まっている状態なので、手づかみ食べをスタートさせるタイミングに適しているといえるでしょう。
手づかみ食べの強制はだめ
いち早く「赤ちゃんに手づかみ食べを始めさせたい」と考えている方もいるかもしれませんが、手づかみ食べを強制することは赤ちゃんの意思に背いた状態といえるため、好ましくありません。
赤ちゃんが手でつかんで食べようとしない場合は、主に以下の理由が考えられます。
- 食べさせてもらうことが好き
- 手で食べ物を触ることが苦手
自分で食べるよりも食べさせてもらうことが好きな場合は、食べ物をつかむ素振りを見せないことがあります。その場合は、保護者が自ら手づかみ食べをして見せることで、赤ちゃんがまねをして興味を持つことがあります。
一方で、手で食べ物を触ることが苦手な場合は、触る感覚に慣れていないことが原因の場合もあるでしょう。
べたべたとしたものではなく、パンや茹で野菜などの触りやすいものから始めたり、お水を触ったりする感覚遊びを取り入れて、様子を見てみることをおすすめします。
手づかみ食べの始め方
手づかみ食べができそうだと判断したら、少しずつ試してみましょう。
最初の方は、口に入れたらすぐにやさしい甘みを感じられるものや、頑張って噛まなくても問題ない口どけのよい食べ物が適しています。具体的には、さつまいもやかぼちゃをやわらかく茹でたもの、食パンの白いやわらかい部分、赤ちゃん用のおせんべいなどが挙げられます。サイズは、ひと口で食べられるサイコロ状がおすすめです。
また、赤ちゃんが以下に当てはまる場合は、始める時期を調整した方がよいでしょう。
- 口をあまり動かさない
- 口に入れた食べ物をまる飲みしている
- 離乳食中期(7~8ヶ月あたり)に適切な固さや大きさの食べ物を口から出してしまう
手づかみ食べは、赤ちゃんの意思を尊重して始めることを第一に考えて、焦らずにスタートしていくことが大切です。
小さく切るだけのメニューから
いきなり大きめの食べ物を与えても、手づかみ食べはうまくいきません。最初は小さく切った食べ物から始めていくことで、赤ちゃんも食べることに慣れていき、だんだんと上手につかんで食べられるようになります。
まずは、つまみやすいサイズの1cmくらいのサイコロ状を目安に食べさせてみましょう。茹でた野菜やパン、果物などから始めていけば、赤ちゃんがチャレンジしやすいほか、調理も最小限で済むため気軽に準備ができます。
ある程度つかんで食べることに慣れてきたら、印鑑サイズのスティック状のものや1cm弱の輪切りのものなども食べさせてみましょう。
赤ちゃんの手づかみ食べのストレスを軽減するには?
赤ちゃんの手づかみ食べは、発達を促進する大切なことから、進んで行わせたいところです。
その一方で、赤ちゃんの手づかみ食べが大人にとってストレスに感じてしまうこともあるでしょう。
ここでは、手づかみ食べによるストレスを軽減する方法について紹介します。
汚れづらい対策をする
赤ちゃんが手づかみ食べをする際は、食べ物が飛び散ったり食器をひっくり返したりしてしまい、服や床などが汚れやすくなります。
こうした汚れによる負担は、食器などを工夫することで軽減が期待できます。
- ひっくり返しづらい食器を使う
- エプロンやスモックを着させる
- イスにクッションなどを敷かないようにする
色々なところが汚れる前に、上記の対策をしてきれいに保てるようにしてみましょう。
片付けやすい環境を作る
汚れづらい対策をしても、どこかが汚れてしまうことは十分に起こりえます。そのため、汚れづらい対策をしたうえで、片付けやすい環境を作ることも重要なポイントです。
- 食事の後はすぐに着替えをする
- 食事の後すぐにお風呂に入れる
- 床にシートなどを敷く
- 乾湿対応の掃除機を使う
上記のように、汚れた場合に片付けやすい環境を整えておくことで、手づかみ食べをさせるときもストレスを感じにくくなります。
手づかみ食べの注意点
手づかみ食べを始める際には、注意しておくべきことがいくつかあります。
考えられる注意点は、主に以下のとおりです。
- 食べているときは目を離さない
- 食べ物で窒息しないように注意する
- 集中を削ぐようなことをしない
- おやつのあげすぎに注意する
- 適度に水分もとる
手づかみ食べに限りませんが、赤ちゃんが何か食べている際は、必ず目を離さないようにしておきましょう。食べ物を投げようとしたり、食べ物をのどに詰まらせたりすることの防止につながります。
さらに、食べ物を与える際は、窒息してしまわないように赤ちゃんが食べやすい形状にしておくことが大切です。
なかでも、丸くつるんとしたものや粘着質な食べ物は十分に噛めずに飲み込んでしまい、窒息するおそれがあるため、とくに注意が必要です。
また、食事中はテレビやおもちゃを視界に入れないようにしましょう。食べること以外に意識がそがれやすいので、食事に集中できなくなる可能性があります。
そのほかには、食事の前におやつをあげすぎないことや、食事中に水分も適度にとることも大切なポイントのひとつです。
赤ちゃんは、大人に比べて食べることにリスクがあり、集中しづらい特徴があるため、いかに食べやすい環境を整えてあげられるかが重要といえます。
こちらの記事では、鮭を使った離乳食について解説しています。含まれている栄養素や手づかみできる離乳食も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
手づかみ食べは、生後9ヶ月あたりから始めていき、最初はつまみやすいサイコロ状のやわらかい食べ物から徐々に慣れさせていくとよいでしょう。
また、赤ちゃんの意思を尊重し、適した環境を整えてあげることで、手でつかんで食べることに集中できます。この記事を参考に、ぜひ手づかみ食べにチャレンジしてみてください。
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