炒った大麦の香ばしい香りと苦味、大麦由来の微かに感じる甘味が特徴的な麦茶。コーヒーや紅茶・緑茶に比べて、ノンカフェインで刺激が少ないため老若男女が時間を選ばず飲むことができます。
水分補給のため必ず、麦茶を常備しているという家庭も多いのではないでしょうか?今回は離乳食における麦茶はいつから使えるのか?まとめてみました。
離乳食に麦茶を取り入れたいという方はご一読いただけますと幸いです。
離乳食における麦茶はいつから使えるのか

対象年齢生後1ヶ月ごろから市販のベビーフードの麦茶が販売されています。カフェインが含まれておらず、かなり早い時期から活用することが可能です(栄養補給にはならない)。35〜40度程度の人肌に近い温度まで温めてから少量ずつ使うようにしましょう。
生後1ヶ月から麦茶を取り入れる必要はある?
用途としては、出先で乳汁を用意できない時や急な水分補給が必要なタイミングが想定されます。早い時期から取り入れる場合は、必要な栄養を補給できないため補助的な役割になります。厚生労働省の基準によると乳汁(母乳又は育児用ミルク)十分であり、無理をして早い時期から麦茶を飲ませる必要はありません。
離乳の開始前の子どもにとって、最適な栄養源は乳汁(母乳又は育児用ミルク)であり、離乳の開始前に果汁やイオン飲料を与えることの栄養学的な意義は認められていない。(1)
簡潔にまとめると下記の通りです。
・ノンカフェインであり、理屈としては1ヶ月から飲ませることができる。
・栄養面としては乳汁の代わりになるようなものではない。
・代替手段がない場合の水分補給として補助として使う。
早い時期から摂取可能と表記されることが多いですが「乳汁の代替にならない」ということを必ず念頭においてください。
離乳食に麦茶を選択する3つのメリット
離乳食で麦茶を取り入れるメリットは下記の3つが挙げられます。
カフェインを含まない
基本的に赤ちゃんにカフェインが多分に含まれる飲料はNGです。なるべくカフェインを含まない飲料を取り入れましょう。
麦茶はカフェインを含まず、体に優しく睡眠を妨げない点が大きなメリットと言えるでしょう。
授乳中はカフェインの摂取量について厚生労働省や農林水産省からの通達はありませんが、各国対応状況の記載がありました。EFSAでは妊婦及び授乳婦については、1日当たり200 mgまでであれば、胎児や乳児の健康リスクは増加しないと評価しています。(2)普段からコーヒーや紅茶・緑茶などを多く飲まれる場合は一部をカフェインを含まない麦茶に切り替えると良いでしょう。
赤ちゃんの水分補給について
日本では水分摂取量の目安が明記されておりませんが、EFSAでは記載があります。データを引用すると下記の通りです。
Reference values for water
- 生後0~4ヶ月:130~150mL/kg/d
- 生後4~8ヶ月:120~130mL/kg/d
- 生後8~12ヶ月:100~110ml/kg/d
(3)
様々な媒体に水分量の表記がありますが、ホリディ・セガー方式をそのまま表記している場合や独自データで基準を設定している資料などブレがあります。あまり複雑に考える必要はありませんが、気になる場合はざっくりと計算してみても良いかもしれません。
甘くない飲み物に慣れる
ある程度月齢が進んで幼児食に移行する時期にジュースを取り入れる方も多いのでは無いでしょうか?甘すぎる飲料に慣れると普通の水を飲まなくなる事もあります。
栄養補給として必要ではありますが、バランスでこうした麦茶のような果糖や甘味料・カフェインを含まない飲み物にも慣れた方が良いでしょう。
赤ちゃんに麦茶を用意するおすすめの方法
現実的な麦茶の用意する方法は下記の通りです。
赤ちゃん用の麦茶を買う
麦茶を用意する上で気になるポイントは雑菌の繁殖です。子ども用のペットボトル麦茶であれば、加熱殺菌が済んでいるため特に気にする必要がありません。清涼飲料水は、器具及び包装資材の殺菌され、殺菌効果を有する製造方法で流通しております。安全面で細かいことを気にする必要が無いため、最も手軽です。
大人向けのペットボトル麦茶を希釈する
殺菌が済んでいる条件は同じです。大人麦茶をお湯で希釈して、温度を調整する方法が次点でおすすめです。希釈する理由は味の濃さ(苦味や渋み)で嫌がる可能性があります。赤ちゃん用の麦茶と同じ色まで明るい茶色になるまで希釈してあげましょう。
麦茶を自作する場合の注意点
できればペットボトルや粉末の赤ちゃん用麦茶を使った方が良いのですが、自作したい方も多いと思われます。その際の注意点をいくつかまとめてみました。
水出し麦茶の場合
- パックを入れっぱなしにしない
- 容器はしっかり洗浄する
- 加熱殺菌してから飲ませる
- 冷蔵して早く消費する
上記条件は守りましょう。麦茶は腐ります。滑りがあったり、酸味を感じる場合は廃棄してください。特に離乳期は体調を崩しやすいため、加熱殺菌してから飲ませると比較的安全です。
煮出しの場合
- 煮出し過ぎない
- 手早く冷やす
- 冷蔵して早く消費する
水出しに比べて渋みが出やすいです。煮過ぎないように注意しましょう。作った麦茶は雑菌の繁殖を防ぐため手早く冷やす必要があります。氷水を用意してボウルに麦茶を移し、温度を下げて保存容器に移してください。
麦茶に使う水の選び方
日本ではほとんどが軟水なため、蛇口直結型の浄水器等で濾過してあげればそのまま使えます。離乳期の場合少量なのでペットボトルで軟水を買ってそちらを使っても良いでしょう。
電気ケトルがあれば困ることはないかと思われますが、用途が多く利便性を感じるのであれば、ウォーターサーバーも検討しても良いでしょう。
赤ちゃんが麦茶を嫌がる・飲まない時の対処法
麦茶を飲むとむせてしまう場合の対処法
- 飲み込む姿勢は正しいか
- 飲む量やスピードが早くないか
姿勢がおかしかったり、飲むスピードが早くてむせることがあります。頻繁にむせる場合は、自治体の窓口や小児科で相談をして赤ちゃん用のとろみ剤(月齢に合わせた分量)で粘度を調整してみましょう。
麦茶を注ぐスパウトやストローマグが合わない
スプーンで与える際に麦茶を嫌がらない場合は、道具を持って飲むことに慣れていないか、スパウトの飲み口が大きかったり、ストローマグが持ちにくいことが多いです。道具や動作の慣れの問題なので時間が経てば解決します。気になる場合は道具を変えてみても良いかもしれません。
離乳食や麦茶の進め方で迷った・不安な時の相談窓口
自治体の保健センター(育児相談窓口)で専門家に相談する
自治体の窓口も充実しています。育児相談 自治体名 で検索すると相談窓口が用意されており、育児に関する困り事があれば相談してみましょう。相談内容に応じて、市町村の管理栄養士、病院や保健所・保健センターの助産師や看護師、保育士、管理栄養士などに繋いでもらえるので安心です。
書籍やこども家庭庁のホームページや支援サイトを参考にする
物性が確認できる書籍が1冊あれば、順序立てて記載されているため迷わずに進むことができます。料理本のような内容なのでかなり読みやすいです。
他にもこども家庭庁のホームページや母子健康手帳情報支援サイトには、子育てに関する制度や進め方のしおり、相談窓口などがまとめられています。気になる事があれば活用してみましょう。
まとめ
今回は離乳食における麦茶について解説しました。ノンカフェインで刺激が少なく、生後1ヶ月頃から補助的な水分補給として活用できます。ただし、母乳やミルクの代わりにはならないため、あくまで栄養補給の補助として取り入れましょう。
参考文献
1.厚生労働省:授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版).閲覧日2026年07月13日URL.https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04250.html
2.Scientific Opinion on the safety of caffeine.2026年7月6日.URL
3.EFSA Panel on Dietetic Products, Nutrition, and Allergies (NDA); Scientific Opinion on Dietary reference values for water. EFSA Journal 2010; 8(3):1459. [48 pp.]. doi:10.2903/j.efsa.2010.1459.