離乳食のとろみ付け、いつからどうする?時期別の目安と失敗しない調理のコツ
「離乳食にはとろみをつけましょう」というフレーズをレシピや記事で目にすることはありませんか?
赤ちゃんの食べやすさをサポートする工夫だと分かっていても、「離乳食にとろみはどのくらい必要?」「うまくとろみをつけられずダマになってしまった」と悩むママ・パパも多いのではないでしょうか。
この記事では、とろみの重要性や時期別の適切な加減、そして失敗しない簡単な付け方から冷凍保存のコツまでを詳しく解説していきます。適切にとろみをつけて、赤ちゃんが安心しておいしい食事を楽しめるようにしていきましょう。
離乳食にとろみをつける理由
とろみは赤ちゃんが安全に食事をする上で大事な役割を担っています。
誤嚥(ごえん)やむせのリスク軽減
赤ちゃんはまだ嚥下(飲み込む力)が未発達の為、誤嚥やむせのリスクがあります。とろみをつけることで食べ物が口の中でまとまりやすくなり、誤嚥やむせを防ぎながら、飲み込みやもぐもぐの練習を手助けしてくれます。特に離乳初期から離乳中期にかけては、舌を前後に動かして食べ物を送り込むだけの動作が基本になるので必要不可欠です。
食べやすさをサポート
離乳後期以降はモグモグして食べる動きが活発になります。とろみをつけることで食べ物をひとまとめにしたり、歯茎を使ってつぶす・飲み込むといった練習をサポートしてくれます。パサついたものや葉物野菜をとろみのある食材と混ぜることで、赤ちゃんが食べやすくなります。
【時期別】とろみの強さの目安(初期・中期・後期)
離乳食のとろみの強さは、赤ちゃんの成長段階で変わってきます。具体的なとろみの強さを「離乳食初期・中期・後期」に分けて見ていきましょう。
| 時期 | とろみの強さの目安 |
| 離乳食初期(ゴックン期) 【5~6カ月】 | コーンポタージュスープのような、スプーンを傾けるとゆっくり流れるくらい。 |
| 離乳食中期(モグモグ期) 【7~8カ月】 | ヨーグルトやマヨネーズのような、形が少し残るくらい。 |
| 離乳食後期(カミカミ期) 【9~11カ月】 | 具材と絡むソースくらい。 |
離乳食後期以降は、噛む力がついてくるのでとろみを弱めて普通食へ移行する時期です。徐々にとろみを減らしていくとよいでしょう。
ダマにならない!とろみ付けの基本と食材の選び方

離乳食のとろみ調整食品は、赤ちゃんの成長段階やメニューに応じて適した物を選ぶことが大切です。主なとろみ調整食品の種類は以下の通りです。
- 水溶き片栗粉(冷凍には不向き)
- 米粉
- 市販の粉末とろみ調整剤
- 食材(じゃがいも、かぼちゃ、さつまいもなど)
- すりおろした高野豆腐や麩(スープに使用)
定番の水溶き片栗粉からアレルギーに配慮した米粉のとろみの付け方、食材を生かしたとろみの付け方をご紹介します。
【定番】水溶き片栗粉の作り方
☆材料
- 片栗粉
- 水
※片栗粉と水の割合は「1:3」を目安にし、月齢や好みに合わせて調整しましょう。
≪作り方≫
ボールに片栗粉と水を合わせてしっかり混ぜる。時間が経つと沈殿するので、調理直前は必ずもう一度よく混ぜる。
◎ダマにならない為の工夫
一度火を止めるか、弱火にしてから鍋全体に回し入れるように少しずつ入れる。入れながら混ぜるとよりダマになりにくい。また、必ず数回に分けて様子を見ながら加える。
【加熱のタイミング】
水溶き片栗粉を加えた後は、弱火〜中火にして全体を十分に混ぜながら加熱し、とろみが安定するまで1分ほど煮立たせる。加熱が不十分だととろみが緩くなったり、味がぼやけることがあるのでしっかり加熱する。
【アレルギーに配慮】水溶き米粉の作り方
☆材料
- 米粉(うるち米100%)
- ぬるま湯(30~40℃)
※米粉と水の割合は「1:3」が目安です。
≪作り方≫
ボールに米粉とぬるま湯を合わせてしっかり混ぜる。
◎ダマにならないための工夫
とろみがつくのがやや遅いため、入れすぎに注意。少しずつ加えながら様子を見て調節する。こげないように弱火でゆっくり混ぜながら加熱する。とろみがついてきたら火を止める。
米粉のとろみは、片栗粉よりダマになりにくく、アレルギーにも配慮しているのでおすすめです。米粉は、もち米由来ではないうるち米粉を選ぶようにしましょう。
米粉の活用法については、こちらの記事でも詳しく解説していますので是非チェックしてみてください。
【食材の粘りを活かす】食材を使ったとろみの作り方
じゃがいも、かぼちゃ、さつまいもなど、食材の粘りを利用する方法もあります。特に芋類は離乳食初期にオススメの食材です。
≪作り方≫
- じゃがいもを柔らかくなるまで加熱する。
- 加熱後、裏ごしもしくはブレンダーでペースト状にする。
- 水やだしを加えて固さを調節する。
- 加熱した離乳食に少しずつ混ぜ合わせる
- 混ぜた後、弱火で軽く温める。
離乳食と混ぜ合わせた後、全体的にとろみがつくまでよく混ぜましょう。とろみがついた後も弱火で温めると、よりなめらかなとろみになります。
とろみを付けた離乳食の冷凍保存と温め直しのコツ
忙しいママ・パパの味方の冷凍ストック。とろみ調整食品にも向き不向きがあります。
片栗粉は冷凍保存に不向き
片栗粉でとろみを付けた離乳食は、冷凍すると水分が分離しやすくなるのでとろみが弱まります。片栗粉のとろみをつけてから冷凍することは避けた方が良いでしょう。冷凍保存したい場合は、分離しにくい米粉やじゃがいもなどの食材のとろみを使用することがおすすめです。
解凍と温め直しのコツ
解凍する際は、均一に温めることが大切です。電子レンジで解凍する場合は、様子を見ながら途中で取り出してかき混ぜることでムラを防ぐことができます。また、解凍後は水分が出やすい為、とろみが分離しやすくなっています。米粉などを少し加えて調整しながら再加熱すると戻りやすくなります。
米粉やじゃがいもなどのとろみは、冷凍解凍してもとろみが落ちにくいです。冷凍ストックを作る際は、米粉や食材のとろみを活かして作ると良いでしょう。
まとめ
今回は、とろみ付けの重要性と選び方についてまとめました。とろみ付けは、赤ちゃんの「食べる力」を育てる大事なステップです。とろみをつけることでむせや誤嚥のリスクを防ぎ、赤ちゃんが安心して楽しく食事をすることができます。また、もぐもぐと口の中で食べ物を動かす練習の手助けにもなってくれます。とろみをうまく活用しながら、赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。
忙しいママ・パパにとって毎日手作りすることは大変だと思います。そんな日は、ファーストスプーンの冷凍離乳食が便利です。専門家が監修した適切なとろみと栄養バランスで、負担を減らしながら赤ちゃんの安全で栄養価の高い食事を提供することができます。是非チェックしてみて下さい。