離乳食で里芋はいつから?レシピや冷凍品の使い方について

投稿者: 佐藤 克 投稿日:

ねっとりとした食感とコクのある甘さが特徴的な里芋。芋煮や豚汁、煮っ転がし、おせちなど様々な料理に使われ、古くから日本の食文化に登場する野菜の一つです。

今回は、里芋を離乳食にいつから使えるのか、レシピや冷凍方法についてまとめました。離乳食に里芋を用いる際の参考になれば幸いです。

里芋はどんな野菜?

里芋はサトイモ科に属する地下茎を食用とする芋類の一つで、独特の食感と風味が特徴的です。

原産地はインド東部から東南アジアの広い範囲と言われており、日本には縄文時代から伝わったとされています。サツマイモやジャガイモが伝わる江戸時代以前は、芋といえば里芋を指す言葉でした。

古くから食べられてきた里芋は、おせち料理では縁起を担ぐために用いられ、越冬が難しい里芋を秋口に消費する「芋煮会」という文化が現代にも残っています。

里芋の旬の時期について

里芋は春に種芋を栽培して秋から冬にかけて旬を迎える野菜の一つです。温度が低いと育たないため、九州や関東圏で主に栽培されています。

良い里芋の見分け方は、しっかりとして重みがあり、日焼けして緑色になっていないものがおすすめです。また、輸入されている里芋のほとんどは中国産で、現地でカット・ブランチ処理された冷凍のカット里芋が多いです。

里芋は離乳食でいつから使えるの?

里芋は離乳食の中期頃から用いられることが多いです。中期では、里芋を柔らかく煮込み、小さく潰して使用します。

里芋の葉の部分にはシュウ酸カルシウムが含まれており、調理で皮を剥く際に手が痒くなったり、舌、喉が痒くなることがあります。皮を厚めに剥いて加熱するため、シュウ酸カルシウムの影響を受けることは考えにくいですが、結晶が喉に刺さらないよう注意しましょう。

離乳食で里芋を使う場合は必ず下茹でしよう

里芋のトロっとした舌触りを活かして、あえて下茹でせずに煮っ転がしやお味噌汁を作る場合もあります。

離乳期のお子さんにはえぐみの原因となる成分が含まれているため、必ず下茹でしてから離乳食に用いるようにしましょう。

里芋を素手で触る時

シュウ酸カルシウムが手に刺さって皮膚が荒れる可能性があります。酢水につけて皮を剥くか、下茹でしてから皮を剥くと安全です。気になる場合はゴム手袋をして調理をしましょう。

里芋の目安量や大きさと固さについて

ここでは里芋の離乳食における目安量とカットサイズの大きさ、固さについて紹介します。離乳食には個人差があるため、お子様の状況に合わせて調整するようにしましょう。

  • 離乳食初期の目安量や大きさ

里芋は離乳食初期では使用できません。ジャガイモやサツマイモにチャレンジしてから使用しましょう。

  • 離乳食中期の目安量や大きさ

茹でた里芋を荒く潰して2〜3mm角にカットし、だいたい20〜30g程度食べさせます。芋類は野菜としてカウントされるのが一般的なため、他の野菜と組み合わせて量を調整しましょう。

  • 離乳食後期の目安量や大きさ

茹でた里芋を5〜8mm角にカットし、だいたい30〜40g程度食べさせます。芋類は野菜としてカウントされるのが一般的なため、他の野菜と組み合わせて量を調整しましょう。

  • 離乳食完了期の目安量や大きさ

茹でた里芋を1cm角にカットし、だいたい40〜50g程度食べさせます。芋類は野菜としてカウントされるのが一般的なため、他の野菜と組み合わせて量を調整しましょう。

アレルギーに注意しましょう

里芋は、皮膚や口、喉の痒みに少し注意が必要です。離乳食で初めての食材を食べさせる際は、少量から与え、お子様の様子を見ながら進めましょう。

病院が開いている時間帯に初めての食材を試すと、より安心して進めることができます。

里芋の栄養価について

カリウムや食物繊維が豊富に含まれています。また、ビタミンB群もバランスよく含まれている点も特徴です。ビタミンEやビタミンC、鉄分、亜鉛なども含まれています。

炭水化物の量は日本食品標準成分表で13.1gとされており、主食にするにはややカロリーが低いです。里芋独特のぬめりはガラクタンという水溶性食物繊維の一種なので、安心してください。

里芋との組み合わせ

鉄分が多い赤身の牛肉と組み合わせ、すき焼き風の芋煮を作ると、不足しがちな栄養素を補うことができます。他にも緑黄色野菜を加え、バランスよくビタミンを摂取できると良いでしょう。

水煮と冷凍の里芋どちらが離乳食向きなのか

栄養価的にはどちらも大きな差はなく、すでに火が通っている水煮が良いでしょう。もし酸味を感じる場合は、調理する前に里芋を洗うと良いでしょう。カット野菜に含まれる添加物が気になる場合は、表面を洗ってから使用したり、水気を切ってから使用しましょう。

里芋の下ごしらえと保存方法について

里芋はシュウ酸カルシウムが多い根元に近い部分とお尻を落としてから、六角形になるようにカットします。その後、両脇を落として六角形になるようにカットします。少々もったいないように感じますが、里芋は滑りやすいのでおすすめの切り方です。

レンジやお湯で表面を加熱した状態で調理する

里芋や山芋などを調理する際、手が痒くなるという経験をされた方も多いのではないでしょうか。痒みの原因であるシュウ酸カルシウムは加熱すると軽減されるため、さっと下茹でするか、レンジで軽く加熱してから調理すると手が痒くなりにくいです。

アク抜きをする

皮を剥いた後にさっと下茹でしてから使用すると、余計なぬめりやアクが抜けて美味しく食べることができます。根菜類や、少し苦味のある野菜は、大抵アク抜きをしてから使用するのが無難です。

里芋はどのくらい加熱したら良いか

里芋は10〜15分間加熱すると火が通ります。茹で時間を短縮したい場合は、耐熱容器に軽く水を加え、里芋を加熱してから使用しましょう。

電子レンジだけで加熱しても良いのですが、里芋のアクが気になる場合は茹でた方が美味しく仕上がります。

加熱後も固い里芋について

里芋には稀に、茹でてもゴリゴリとした食感の芋が一定数出てきてしまいます。これは「水晶症」といい、デンプンが孫芋に取られてしまい食感が固くなるものです。

離乳食では食べにくく美味しくないため、使用しない方が無難です。潰している段階で固い芋だとわかるので、取り除いておいた方が良いでしょう。

離乳食におすすめの里芋を使ったレシピ

ここでは、離乳食におすすめの里芋を使ったレシピを紹介します。離乳期の進捗には個人差があるため、お子様の様子を見ながら量や味付け、大きさや固さを調整しましょう。

里芋の煮っ転がし(9〜11ヶ月)

<材料>

  • 冷凍里芋 30g
  • はじめのかつおだし 20g(はじめのかつおだしはこちら)
  • 甜菜糖 3g
  • 醤油 風味付け程度

<作り方>

  • 冷凍の里芋を解凍し、サイコロ状に5mm角にカットする
  • 耐熱容器に軽く水を加え、里芋をレンジで加熱する
  • 甜菜糖、はじめのかつおだし、醤油を混ぜて調味液を作る
  • 里芋と調味液を煮詰めて和える

ポイント:離乳食では、味が濃くなりすぎないよう調味料を最小限に抑えて調理しましょう。

山形風芋煮(12〜18ヶ月)

<材料>

すき焼きのタレ(適量)

<作り方>

  • 里芋を食べやすい大きさにカットして軽く下茹でする
  • 鍋に水を入れ、里芋、にんじん、長ネギ、牛肉の順に加えて加熱する
  • すき焼きのタレを加えて味を調えれば完成です。

ポイント:**山形の芋煮はすき焼きに近いため、タレを使うとそれらしく仕上がります。味が濃くなりすぎた場合は、水で薄めて調整しましょう。

まとめ

今回は離乳食における里芋について解説しました。芋類は、苦味やえぐみが少なく食べやすい野菜の一つです。離乳期に不足しがちな鉄分を補給しながら、緑黄色野菜も摂取できる山形芋煮などの芋煮系レシピがおすすめです。

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