離乳食でマグロはいつから?脂質の多い部位やツナ缶などは使っても大丈夫?
離乳食でマグロを使ってみたいと思われている方は多いのではないでしょうか?マグロはスズキ目サバ科マグロ族マグロ属に位置する回遊魚で世界中で親しまれる魚の一つです。
刺身や焼き魚、缶詰など様々な用途で楽しむことができ、とても美味しい食材で、栄養価も素晴らしくタンパク質含有量が高く、DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)、鉄分も豊富に含まれており、はじめての赤身魚の中でおすすめの食材の一つです。
今回はそんなマグロについて、いつから使えるか、目安の量やレシピについてまとめてみました。
是非ご覧いただけますと幸いです。
離乳食でマグロはいつから使えるの?
マグロは離乳食中期(7〜8ヶ月)頃からスタートできる食材の一つですが、まずは脂質が少なく癖のないタイやヒラメ・カレイなどの白身魚にチャレンジした後からスタートするようにしましょう。
離乳期ではトロと言われる脂身の部分は脂質が多く、なるべく赤身の部位がおすすめです。加熱用の切り身を選ぶ場合は、鮮度落ちが激しく血合いがどす黒いものは避けた方が無難です。
ツナ缶や脂身を使っても大丈夫?
ツナ缶はオイル漬けになっており味がついているものがほとんどです。アミノ酸調味料などで味付けを行っているケースもあり、離乳食で使う場合は洗い流す必要があります。
最近ではノンオイルのツナ缶(水煮)も出ており、離乳食ではそちらを使うようにしましょう、
まぐろと天然水だけのシーチキンが便利
上記のほぐし身を水煮にしたものがおすすめです。既に身がほぐれており、加熱済みなためそのまま使うことができます。
ノンオイルでアミノ酸調味料を添加していないツナ缶を探すのに苦労するので、簡単に手に入る通販を利用すると便利です。
刺身でも必ず加熱すること
離乳期では、生のまま食べさせることはごく稀で、刺身のような生食用で売られているものに関しても加熱をしっかりしてから食べさせるようにしましょう。
特にお魚に関しては、食中毒のリスクがゼロではないため注意が必要です。
古い刺身は使わない
色が変色していたり、表面がパサついているマグロの刺身は使わないようにしましょう。加熱してもヒスタミンは分解されません。マグロやカツオ、サバ、イワシ、シイラなどを用いる場合は特に注意が必要です。
どんな種類のマグロが良いの?
マグロにも様々な種類があり、本マグロと言われるクロマグロやミナミマグロ、メバチマグロ、キハダやビンナガなど様々なマグロが存在します。
日本食品標準成分表(八訂)では、クロマグロやミナミマグロといった大型のマグロは赤身と脂身で栄養価が別れています。
基本的には、細かい魚種については気にせず、赤身と記載のあるものを選べば間違いないです。
DHA・EPAをなるべく摂取したい場合は、脂質と赤身のバランスの良いメバチマグロの中トロと記載のあるものがおすすめ。
加熱用のマグロ切り身を使う場合は骨と血合い気をつけて
加熱用は生食用にサク取りした際の端材であることが多く骨や血合いに注意が必要です。
色が黒ずんでいる部分が多すぎるもの、表面が乾燥していてドリップが大量に出ていないものを選ぶようにしましょう。
見るからに状態の悪いものを買ってしまった場合は離乳食で使わない方が無難です。
目安量と大きさについて
離乳食での目安の量や大きさについて説明します。他の食材と組み合わせる場合は、配分を調整して使うように心がけましょう。
個人差があるため状態を見つつ調整するように心がけてください。
離乳食初期の目安量と大きさ
マグロは離乳食初期の段階ではあまり食べさせない方が良いでしょう。できれば真鯛やヒラメ、カレイ、タラ、鮭などの白身魚からトライしてみてください。
もし初期の段階で使用する場合は、加熱したものをすり鉢ですり潰して茹でた水で伸ばすと食べやすいです。
離乳食中期の目安量と大きさ
1回あたり10〜15g程度になります。こちらも初期同様に白身魚になれてから取り入れるのがベストです。
サイズはすり鉢ですり潰すか、2〜3mmくらいを目処にカットします。マグロは茹でると食感が固くなるのでお湯で伸ばしとろみ剤を使い粘土をつけてみましょう。
離乳食後期の目安量と大きさ
1回あたり15g程度が目安です。5〜8mくらいを目処にカットします。また15gになるようにカットして茹でフォークで潰して分割するとある程度近いサイズになります。
離乳食完了期の目安量と大きさ
1回あたり15〜20gが目安です。1cmくらいを目処にダイスカットします。食べにくそうな場合はフォークやスプーンなどで潰してから食べさせるようにしましょう。
マグロの栄養価について
マグロには、100gあたり20〜26g以上のタンパク質が含まれています。特に赤身の部位はタンパク質量が多くおすすめです。
脂質に関しては脂身と赤身で大きな差があるため、用途に合わせて使い分けるようにしましょう。DHAやEPAの摂取量を増やしたい場合は少しだけ脂質の多い部位を使い調整すると良いです。
また鉄分やマグネシウムが含まれており、ビタミンB群やビタミンFも豊富な食材です。
魚に関しては取れる時期や食べるものによってブレるため参考程度に留めておくようにすると良いです。
鉄分が気になる場合
鉄分含有量やビタミンB群をより多く摂取したい場合はカツオの方がマグロより多く含んでいるためおすすめです。
脂質やビタミンDの含有量はマグロの方が若干多いため使い分けると良いです。
旬の時期や物によって調整しましょう。
マグロと組み合わせたい食材
さらにカルシウムや鉄分を強化したい場合は、ミネラルを豊富に含むルッコラがおすすめです。
ルッコラとトマトをマグロにあえて塩とオリーブオイルを適量振れば必要な栄養素を摂取することができます。また大人にも良い組み合わせなので、まとめて作って一緒に食べてるのも一つの手段です。
マグロの下処理方法と注意点
離乳食に使う場合は茹でこぼすため下処理をする必要がないのですが、どうしても匂いが気になる場合は表面に軽く塩をまぶし数分放置してみてください。
その後、表面の塩を洗い流して水気を拭き取れば完成です。
海水と同じぐらいの食塩水につける方法もありますが、つけ込みすぎると塩分が強くなってしまうため離乳期では軽く塩を降る程度がおすすめです。
余ったサクを冷凍保存する場合は?
家庭用冷凍庫を冷凍する場合は、キッチンペーパーでドリップをしっかりと拭き取りラップで包みなるべく参加させない様に保存します。
マグロのようなミオグロビンが多い魚種は家庭用の温度だとどうしても黒ずんでしまうメト化が起こりやすいので必ず空気に触れないように保存しましょう。
マグロに初めてチャレンジする場合はアレルギーに注意
マグロはアレルギーの他にもヒスタミン中毒が起こりやすい魚です。初めて食べる際には少量ずつから食べさせて問題がなければ量を増やすようにしましょう。
赤身魚は状態が悪くなるとヒスタミンの量が増えやすいものが多いため注意が必要です。
市販のネギトロは使って大丈夫?
マグロの中落ちをそのまま叩いただけのものなら使用して大丈夫です。しかし冷凍で売られているよくあるネギトロは、マグロ以外の魚種が含まれてたり、味気なさを補うために植物油脂やアミノ酸、アスコルビン酸(ビタミンC)やトコフェロール(ビタミンE)の酸化防止剤が使われているケースが多いです。
解凍して茹でるだけなので便利ではあるのですが、脂質が多いという点から使用しない方が無難でしょう。
マグロを使った離乳食のレシピ
ここでは離乳食で使う場合のマグロのレシピについて一部紹介します。是非初めてのマグロにトライする際参考にしてみてください。
マグロのほぐしみ(7〜8ヶ月)
<材料>
- マグロ 15g
- とろみ剤 (規定量)
- 水(加熱用)
<作り方>
- マグロをサクから切り落とし熱湯で湯がく
- 取り出したマグロをフォークで繊維が立つように潰す
- 潰したものに茹で汁ととろみ剤を加え調整する
マグロが茹でたマグロがパサパサする場合はとろみをつける
離乳食用のとろみ剤を使うと安定した仕上がりになります。片栗粉を使う場合はダマになりやすいため茹で汁と合わせてからとろみをつけると良いでしょう。
マグロのサイコロステーキ(9〜11ヶ月)
<材料>
・マグロ 20g
・醤油(風味づけ)
・油(小さじ½)
- マグロ 20g
- 醤油(風味づけ)
- 油(小さじ1/2)
<作り方>
- マグロをサクから切り出し5〜8mm幅でダイスカットする
- フライパンに油を引き色が変わるまで加熱する
- その後風味づけに醤油をたらし加熱して馴染ませる
固い場合はフォークで潰し柔らかくします。醤油はしょっぱくなりすぎないように注意して使用してみてください。付け合わせにほうれん草のソテーやにんじんなどがおすすめです。
マグロとアボカドのポキ風(12〜18ヶ月)
<材料>
- マグロ 20g
- アボカド 15g
- ルッコラ 5g
- 小ネギ少々
- ごま少々
- 醤油(風味づけ程度)
- ごま油(小さじ1/2)
<作り方>
- マグロをサクから切り出しアボカドと1cm程度にダイスカットする
- フライパンにごま油を敷き、マグロとアボカドに火をとおす。
- 火が通ってきたら刻んだルッコラと小ネギ、小ネギ、ごまを加え加熱する
お米の上に乗せ丼ものにすると様々な栄養素をまとめて取れ、食べムラが起こった時にピッタリです。
マグロを茹でる時と焼く時間
ここまでサイズを整えれば、だいたい1分程度加熱すると火が通ります。マグロの色がツナ缶の色に近づくくらいが目安です。
1分加熱してもまだマグロが赤い状態のものがあればもう少し加熱するようにしましょう。
まとめ
今回は離乳食におけるマグロについてまとめてみました。マグロはタンパク質含有量が豊富で、離乳期に必要な鉄分やビタミンB群を含みます。ヒスタミンには注意が必要ですが、赤身魚の中では癖や臭みがなくかなり食べやすい部類の魚です。
魚を食べさせる上で気になる骨も生食用のサクが流通しているのであまり気にならない点も良い点だと思います。
是非はじめての赤身魚にマグロを使ってみてはいかがでしょうか?