離乳食でじゃがいもはいつから食べられる?栄養素やレシピなど
毎日の離乳食づくりがストレスになるのは避けたいものです。そのため離乳食では、栄養価の高い食材を使うことはもちろんですが、調理法や保存方法の簡便さも大切です。
自然な甘味を感じるじゃがいもは、離乳食でも人気の高いおすすめの野菜のひとつです。じゃがいもは栄養価が高いだけではなく、調理の幅も広く、実は保存性にも優れているため、離乳食づくりの心強い味方になってくれます。
そこで今回は、じゃがいもに含まれる栄養素や、離乳食初期・中期・後期それぞれに応じたレシピをご紹介していきます。
じゃがいもはいつから食べられる?
加熱によって柔らかくなるじゃがいもは、離乳食初期の赤ちゃんでも食べることができます。お粥を食べ始めて、赤ちゃんが離乳食に慣れてきた時期に、じゃがいもを試してください。
離乳食初期では、じゃがいもが柔らかくなるまで加熱したものをすり潰して、赤ちゃんにあげましょう。ペーストのような状態になっていればOKです。
調理後のじゃがいもがパサパサしていたり、固そうだと感じた場合には、お湯を加えたり、お粥に混ぜるなどして調整してから、赤ちゃんに食べさせましょう。
じゃがいもに含まれる栄養
じゃがいもには、ブドウ糖やビタミンC、食物繊維などの栄養素が多く含まれています。ブドウ糖は糖質の一種で、ご飯にも多く含まれており、体を動かすなどエネルギー源になるものです。
ビタミンCは、風邪予防や肌をきれいに保つ作用がある栄養素です。加熱に弱い性質がありますが、じゃがいものビタミンCはデンプンに守られており、熱に強いのが特長です。そのため、じゃがいもは効率よくビタミンCを摂取することができる野菜だといえます。
そして食物繊維は、便秘を解消する作用があるため、便秘になりやすい赤ちゃんにもおすすめです。
じゃがいものアレルギーについて
一般的には、じゃがいもはアレルギーを起こしにくい食べものです。しかしごく稀に、アレルギーを起こしてしまう赤ちゃんもいます。初めて食べさせる場合は、病院があいている平日に、少量から始めるようにしましょう。
アレルギーを起こすと、食べた後30分以内に口の周りが赤く腫れたり、皮膚にじんましんが出たりするなどの症状がみられます。
嘔吐や呼吸困難感がみられ、ぐったりした様子がみられる場合には、アナフィラキシーショックを起こしている可能性があります。アナフィラキシーショックは、アレルゲンに反応して血圧が低くなり、命の危険もある状態です。すぐに救急車を呼びましょう。
離乳食期ごとのベストな与え方
離乳食に向いているじゃがいもですが、離乳食初期・中期・後期それぞれの時期に合わせた量や、硬さに調理する必要があります。
離乳食は、進め方が難しいと感じる人もいるため、しっかりとポイントを抑えていきたいところです。じゃがいものベストな与え方、そして下ごしらえをするときのコツについて、みていきましょう。
量の目安
赤ちゃんの成長にあわせて、少しずつ与えるじゃがいもの量を増やしていきます。
離乳食を開始し始める生後5~6ヶ月にあたる離乳食初期では、1回の食事につきスプーン1杯でOKです。
生後7~8ヶ月にあたる離乳食中期では、1回の食事につき20~30gほど与えましょう。生後9~11ヶ月にあたる離乳食後期では、1回の食事で30~40gを、そして、1歳~1歳半になる離乳食完了期には40~50gを与えましょう。
適切な硬さ
離乳食では、硬さも大切になります。与える量と同様、赤ちゃんの成長にあわせて、適した硬さのじゃがいもを与える必要があります。
離乳食初期では、すり潰したり裏ごししたりしてなめらかな状態にしたポタージュ状を目安にしましょう。離乳食中期では、舌で押したら潰せるくらいの硬さがよいでしょう。豆腐のような硬さがイメージできるとOKです。
離乳食後期では、歯茎で噛んだら潰せるくらいの硬さが目安となります。バナナをイメージするとよいでしょう。
最後に、離乳食完了期では、歯茎で噛めるくらいの硬さを目安にしてください。肉団子がイメージに近いでしょう。
下ごしらえのポイント
じゃがいもの芽の部分や、緑色になっている部分には、ソラニンという有毒物質が含まれています。下処理の段階で、しっかり取り除いておくことが大切です。
また、じゃがいもを切ったら、水に漬けてアクを抜くことも大切なポイントです。えぐ味や渋味がなくなるため、赤ちゃんでも食べやすくなります。また、変色を防ぐことにもつながります。
茹でるときは、水から茹でるのが基本になります。鍋に切ったじゃがいもを入れて、かぶるほどの水を入れて、加熱を始めます。沸騰したら、弱火にして柔らかくなるまで茹でればOKです。
じゃがいもは冷凍保存可能?
冷凍保存するイメージがないじゃがいもですが、実は冷凍保存しても問題なく食べられます。冷凍保存の方法は、まずは加熱調理して柔らかくなったじゃがいもを、フリーザーバッグに薄く広げて入れます。このとき、できるだけ空気を抜いてジッパーを閉めましょう。
その後、フリーザーバッグの上からすじ目をつけておくと、解凍するときにひとつずつ取り出せるため、非常に便利です。すじ目は、10gずつ付けておくなど、月齢に応じて使いやすい量で区切るのがおすすめです。冷凍で約1週間、保存が可能です。
離乳食におすすめのじゃがいもレシピ
離乳食は、赤ちゃんの成長に合わせて食事の形態や味付け、量を変化させていかなければなりません。そのため、レシピを考えるのも大変です。
そこで、赤ちゃんにも安心・安全に食べさせられて、簡単で美味しいじゃがいものレシピを、離乳食の時期ごとにご紹介していきます。
離乳食初期(5~6か月)に「やわらかじゃがいもペースト」
材料
- じゃがいも 20~30g
- 水と白湯 各大さじ1
作り方
- じゃがいもの皮は厚めにむき、1cm角にカットする。ボウルに分量外の水をはって、切ったじゃがいもを水にさらしてアクを抜く。
- じゃがいもの水気を切って、耐熱容器に入れる。水大さじ1を加えて、ラップをふんわりとかけ、600Wの電子レンジで約1分加熱する。
- 様子を見て、柔らかくなるまで10秒ずつ追加で加熱する。
- 熱いうちに潰して、白湯大さじ1を加えながらペースト状にしたら完成。
離乳食中期(7~8か月)に「ヨーグルトポテトサラダ」
材料
- じゃがいも 30g
- 玉ねぎ 20g
- ヨーグルト 30g
作り方
- じゃがいもは皮を厚めにむいて、1cm角にカットする。ボウルに水をはってじゃがいもを漬けて、アクを抜く。
- じゃがいもの水気を切り、耐熱容器に入れる。水大さじ1を加えて、ふんわりラップをかけ、600Wの電子レンジで1分ほど、柔らかくなるまで加熱する。
- 玉ねぎは皮をむいて1cm角にカットし、じゃがいもと同じ工程で電子レンジで加熱し、柔らかくする。
- 耐熱容器に下処理をしたじゃがいもと玉ねぎを入れて、上にヨーグルトをのせる。600Wの電子レンジで20秒ほど加熱して、ヨーグルトが温かくなったら完成。
離乳食後期(9~11か月)に「じゃがいも納豆おやき」
材料
- じゃがいも 40g
- ひきわり納豆 1/2パック
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ2
作り方
- じゃがいもは皮を厚めにむいて1cm角にカットし、水をはったボウルに漬けてアクを抜く。
- 耐熱容器にじゃがいもを入れて、大さじ1の水を加え、600Wで1分加熱する。
- 納豆は、食べやすいように細かく刻んでおく。
- 2のじゃがいも、3の納豆、片栗粉、水すべてをボウルに入れて、混ぜ合わせる。好みの硬さにするために、片栗粉の量を調整する。
- 食べやすい一口サイズのおやきになるように形を作り、油(分量外)をしいたフライパンに並べる。
- 弱火で、両面にほんのり焼き色がつくまで加熱したら完成。
じゃがいもを使ったおすすめの離乳食を紹介
離乳食でじゃがいもを使う場合、下ごしらえや月齢に合わせた調理が必要なため、手間に感じることもあるかと思います。たまには手軽に食べさせられる便利な離乳食を活用してみてはいかがでしょうか。
ファーストスプーンが提供する、じゃがいもの離乳食を2品ご紹介します。
北海道産じゃがいもと玉ねぎの味噌汁(9〜11ヶ月)
離乳食後期カミカミ期の赤ちゃんにおすすめの、お味噌汁です。北海道産のじゃがいもと玉ねぎを丁寧に下ごしらえをして仙台味噌で仕上げた離乳食です。
60gの小分けの使い切りパックになっているので、パックのままお湯を張ったお鍋で5分程度湯せんしてすぐに食べられます。
たらとじゃがいものチーズボール(12〜18ヶ月)
離乳食完了期の赤ちゃんが自分で手づかみで食べられる離乳食です。真鱈をじゃがいもで練ってチーズを加えだボール状がかわいい商品です。手づかみ食べに配慮し、べたべた手や口の周りにくっつきづらいように仕上げています。
まとめ
じゃがいもは自然な甘味をもつだけでなく、栄養価の高さや調理の幅の広さから、離乳食に向いている野菜のひとつです。離乳食初期から後期まで、調理法を変えながら、赤ちゃんに食べさせることができます。
じゃがいもは、冷凍して保存するイメージがあまりないですが、実は冷凍保存しても美味しく食べることができます。冷凍保存しておくと、下ごしらえの時間を短縮できるため、忙しいご家庭でも効率よく食事の用意をすることができます。
毎日の赤ちゃんの食事作りを楽しいものにするために、ご紹介したレシピもぜひ試してみてください。
またファーストスプーンの離乳食メニューは商品ページをごご覧ください。
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監修
管理栄養士 料理家 片村優美
管理栄養士兼料理家です。レシピを作ったり、記事を書いたりしています。
野菜をたっぷり使った健康的な料理が好きで、テーブルコーディネートや撮影までを自分で行っています。
栄養はもちろんのこと、心理効果や美味しさなど食の4次機能を伝えていきたいです。