離乳食で「さば」はいつから?さば缶を使う場合の注意点や栄養価について
離乳期では、栄養バランスが大切です。特に鉄分は、赤ちゃんの成長に欠かせない重要な栄養素です。
今回は、鉄分が豊富な「さば」を使った、簡単な離乳食のレシピや栄養価についてご紹介します。さばは栄養価が高くDHAやEPAなどの必須脂肪酸(n-3系脂肪酸)も含んでいるため、赤ちゃんの脳や視力の発達にも役に立ちます。
今回は、そんなさばを使った離乳食についてレシピや作り方、栄養素についてご紹介します。
離乳期にさばを取り入れるメリットとは?
離乳期に不足しがちな栄養素であるビタミンDや鉄分、亜鉛が鯖から摂取できるという点が大きなメリットです。
青魚の中では、気になるような小骨も少なく通年で手に入る点や水煮缶や骨抜き処理をした切り身も流通しているため調理しやすい点もメリットと言えるでしょう。
栄養豊富な反面、必須脂肪酸(n-3系脂肪酸)が多い点やアレルギーが気になるため、なるべく他の魚に慣れた後期(9〜11ヶ月)、完了期(12〜18ヶ月)にスタートしたい食材です。
離乳食に最適なさばの選び方
さばは「さばの生き腐れ」ということわざがあるぐらい鮮度の落ちやすい魚です。なるべく状態の良いものを選ぶと良いでしょう。
丸魚の場合
- 腹に弾力がありしっかりしているもの
腐敗は腹部の内臓から始まります。内臓をとっていないものに関しては腹部を軽く触り弾力があるものが良いです。
切り身の場合は、鮮度落ちしているものは腹身の外側の部分が黄色く酸化しており、薄くなっているためわかりやすいです。
- 皮目や身にハリがある
鮮度の良いさばは、皮目にハリがあり身質がしっかりしています。タンパク質の分解が進みすぎると身質が緩くなっている場合が多いです。なるべくハリのある個体を選ぶと無難です。
- 冷凍焼けしていない個体
表面が乾燥して白っぽくなっている個体はなるべく避けた方が良いです。冷凍焼けという状態で、乾燥が進んでいるため身質が若干固くなっています。 - 脂が乗っている個体
脂が乗っている個体は、身質を確認しないとなかなか見分けられません。断面を確認する必要があり白っぽい模様があるものは脂が乗っている証です。
見極めに困った場合は、大西洋さば(ノルウェーサバ)を選ぶとだいたい脂が乗っています。ノルウェーでは漁獲制限が厳しいため旬を迎える秋冬シーズンしか漁獲しないため、通年で旬のさばが楽しめます。反面、大西洋さばの脂質は多い傾向にあります。気になる場合は国産のマサバを使うと脂質が抑えられます。 - 〆さばは使わない
離乳期にはよく刺身のサクが使われることが多いです。しかし〆さばは離乳食には向いていません。〆さばは、塩や砂糖で脱水させてから生酢で洗うため塩分を多く含みます。
なるべく離乳食では、〆さばは避けた方が無難です。
ノルウェーさばとまさばどっちがいい?
ノルウェーさば(タイセイヨウサバ)の方が油が乗っているものが多く「まさば」は風味と味が強い印象です。
日本食品標準成分表2020(八訂)では、たいせいようさば/生には100gあたり26.8g、まさば/生は100gあたり16.8gと大きな差があります。
離乳期では脂質をなるべく抑えた方が良いためまさばが良いでしょう。さらに脂質が気になるのであればごまさばを使うというのも一つの選択肢です。
離乳食で使うさばの下処理と調理方法
さばは脂質が少し多い魚です。離乳期後期(9〜11ヶ月)の脂質の一日の摂取量は、4.8g程度目安のため脂質が気になる場合は、調理方法で工夫をすると良いです。
湯通しをする
切り身に少々塩を振り余分な水気を抜きます。その間、ポットから500ccボウルに注ぎ、数回切り身をくぐらせ余分な脂を落とします。
その後、冷水で締めキッチンペーパーで余分な水分を拭き取りましょう。塩分が気になる場合は、塩を振らなくても大丈夫です。
この処理をすることによって余計な脂質が抜け、さば独特の臭みも抑えることができます。
小骨に注意する皮目を剥ぐ
離乳期には皮目は口に残るため外した方が無難です。骨がないか確認をして、中の身だけを食べさせるようにしましょう。
骨抜き処理をしたさばにも稀に骨が入っている場合はあります。
皮目をつけたままグリルで焼く
オーソドックスに皮目をつけたまま魚焼きグリルで焼き、皮目を剥がして使用すると良いでしょう。
目安は機械によって異なりますが、グリルを温めてから中火で5分ぐらいが目安です。その後余熱で数分放置すればふっくら仕上がります。
またオーブンレンジでは、魚を焼く項目があるため機械に任せるとより簡単に火入れができます。
さばの水煮缶を使うと便利
さばの水煮缶を使うとより簡単に調理することができます。また加圧調理をしているため骨も気にならず安心して使うことが可能です。
ただ缶詰を選ぶ際は、味噌煮や余計な味付けをしていないものが良いでしょう。
水煮にも食塩が使われていますが食べる量で換算すると気にするような塩分量ではないのですが、塩分量が気になる場合は茹で汁を使わずに作ると良いでしょう。
さばの水煮缶を使う上の注意点
加圧加熱することによって骨の中のコラーゲンが溶け出し崩れて食べやすくなりますが、稀に骨がまだ固いものが存在します。
実際に食べさせる際には目視やスプーンで触った感じが明らかに固そうなものに関しては食べさせないように注意しましょう。
さば缶は塩抜きが必要なのか?
日本食品標準成分表(8訂)では種を指定しない鯖の水煮で100gあたり食塩相当量が0.9gになります。これを後期や完了期の重量換算の15gで計算した場合の食塩相当量は0.1gになります。
この月齢のベビーフードの食塩相当量は1袋あたり0.4〜0.6gの幅に収まっているかと思われます。さばの塩抜きをするよりも調味料の量を減らす方がより効果的です。
さばの水煮缶を使った離乳期レシピ
ここではさばの水煮缶を使った離乳食のレシピを紹介。青魚にチャレンジするときにおすすめです。
さばを使った離乳食後期(9〜11ヶ月)のレシピ
さばはなるべく後期から使用しましょう。また魚を食べさせたことがない場合は、カレイやヒラメ、タイなどの白身魚がおすすめ。
さばそぼろのひじき煮
<材料>
- 小松 15g
- さばの水煮缶10g
- ひきわり大豆8g
- 人参10g
- 芽ひじき1g
- 醤油 適量
- 砂糖 適量
<調理方法>
- 芽ひじきをぬるま湯で30分戻し、ザルにいれ流水で綺麗に洗う。小松菜を5mm幅にカットして軽く水にさらす。
- ひきわり大豆と1mmダイスカットした人参をボイルし柔からくする。
- その後下処理を終えたさばと小松菜、さばの水煮を加え小松菜がしんなりするまで加熱する。
後期の固さの目安
固さの想定、バナナ程度の固さが目安です。さばの水煮缶を使うと便利です。
さばを使った離乳食完了期(12〜18ヶ月)のレシピ
完了期になるとより大人に近い食事になります。DHAの豊富なさば、是非完了期に取り入れてみてください。
さばとトマトのリゾット
- 炊いたご飯 80g
- 水 120cc
- さば水煮缶 15g
- 玉ねぎ 20g
- 人参 10g
- トマトピューレ 20g
- ナチュラルチーズ 適量
- 食塩 適量
<調理方法>
- さばの水煮缶の水煮缶と普通の水を混ぜ出汁を作る。米とカットした人参、玉ねぎ、さばを加え煮る。
- その後火が通ってきたらトマトピューレを追加し酸味が飛んだら塩で少し味を整える。お好みでチーズを加える。
完了期の固さの目安
完了期は、歯が少しずつ生えてくる時期です。サイズや茹で加減を調節してある程度食感を出してあげると良いです。
さばに含まれる栄養素について
ここではさばに含まれる栄養素について解説します。「まさば」、「ごまさば」、「大西洋さば」など複数種類があり、栄養価が少しずつ異なっています。
ここでは、「まさば」の栄養価についてご紹介します。
さばの特徴的な栄養素
タンパク質:体を構成するために最も必要な栄養素の一つです。脳や神経組織の機能を高める効果があります。
鉄分:離乳期に不足しがちな栄養素の一つです。赤血球の材料になり、体に酸素を運ぶ働きがあります。
ビタミンD:離乳期に不足しがちな栄養素の一つです。カルシウムの吸収を促進する働きがあります。
亜鉛:味覚を正常に保ち、免疫の向上や体を作る重要な働きがあります。
このようにさばには豊富な栄養素が含まれております。離乳期にピッタリな食材の一つと言えるでしょう。
さばは冷凍保存できるの?
さばを冷凍する場合は、脱水をしてから冷凍するようにすると良いです。パックから取り出し、食塩を軽く塗して数分放置します。
その後フリーザーバッグにいれ脱気し冷凍庫で保存します。冷凍する場合は、さばが乾いてくる前に使い切るようにしましょう。
離乳期にさばを使う際にアレルギーに注意する。
さばは特定原材料に準ずるもの20品目に該当しております。他の特定原材料に比べて発症数や重篤な症例数が少ないですが注意した方が良い食材の一つです。
さばはヒスタミンが多い魚であるためヒスタミン中毒による影響も多い魚です。少量食べさせて、もしアレルギーと思われる反応が出た場合には、病院に行きましょう。
初期と中期はさばを避けた方か良い
初期から中期は体内で油を消化する臓器が発達していないためなるべく脂質を抑えたほうが良いです、
さばの脂質は良質な脂質なのですが、中期の段階では少し重たい食べ物です。なるべく脂質の少ない魚からトライすると良いでしょう。
脂質は無理に栄養素として摂るのではなく、肉や魚、豆腐などから摂取する方が良いでしょう。
おすすめのさばを使った離乳食を紹介
離乳食でさばを使いたいときにおすすめの離乳食をご紹介します。市販の離乳食を利用すると料理の幅が広がり簡単にいろんな食材にチャレンジすることができます。
さばそぼろのひじき煮
離乳期で取り入れたい栄養素のカルシウムや鉄分が含まれている商品です。
国産のさば水煮を利用しており、野菜、豆類。海藻がバランスよく入っているため栄養豊富な離乳食です。食べムラが起こって栄養価が気になるときに是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回はさばについて紹介しました。11月から2月にかけて旬を迎えるさば、栄養豊富でとても美味しい魚です。
特に鉄分やDHAやEPAなどの必須脂肪酸(n-3系脂肪酸)が摂れる点が魅力です。
離乳後期(9〜11ヶ月)、青魚にチャレンジしたけれど何から挑戦したら良いかわからない。そんなときにはお試しでファーストスプーンの「さばそぼろのひじき煮」を試してみてはいかがでしょうか?
是非、ご興味のある方は商品ページを確認いただけますと幸いです。