離乳期でトマトはいつから食べられる?生で食べさせても大丈夫?

投稿者: 佐藤 克 投稿日:

トマトは、ビタミンC、ビタミンE、リコピンなどが含まれる栄養豊富な食材です。離乳期では調味料を極力少なくする工夫として、風味があるトマトが用いられるケースが多いです。

しかし、酸味やトマト独特の青臭さが苦手な子も少なくないので、使用には少し注意が必要です。

今回は、離乳食でトマトはいつからスタートできるのか、さらには冷凍保存の方法や品種の選び方などをまとめてみました。

生のトマトはいつから?

トマトを含め、1歳までは生野菜は避けた方が良いでしょう。理由として生野菜は消化しにくいこと、包丁やまな板などに付着した細菌で体調を崩してしまうことが挙げられます。

離乳期は持って生まれた免疫が切れるタイミングと重なるため、体調を崩しやすく生の食材は特に注意が必要です。

ですので生のトマトには、完了期を過ぎたあたりでチャレンジするのが好ましいでしょう。

市販のカットトマトは離乳食で使えるの?

紙パックや缶詰に入ったカットトマトは湯むきやカットをする必要がなくとても使いやすいです。

その反面、食品容器(レトルトや缶)にはビスフェノールAという腐食を防止するコーティング材が使用されているケースが多いことで知られています。その内部に施されたコーティングが気にならなければ、缶詰やパックのカットトマトは使用しても問題ありません。

ビスフェノールAについて

ビスフェノールAについては、近年、動物の胎児や産仔に対し、これまでの毒性試験では有害な影響が認められなかった量より、極めて低い用量の投与により影響が認められたことが報告されたことから、妊娠されている方(これらの方の胎児)や乳幼児がこの物質を摂取すると影響があるのではないかという懸念が持たれています。欧米諸国でも、このような報告から、ヒトの健康に影響があるかどうか評価が行われているところです。

引用:厚生労働省HP「ビスフェノールAについてのQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kigu/topics/080707-1.html

欧州諸国ではビスフェノールAについて一部規制があるようなので、気になる方はカットトマトではなく生のトマトを使った方が良いでしょう。

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ミニトマトをそのまま手づかみ食べに使って大丈夫?

喉に詰まらせてしまう可能性があるため4当分にカットして食べさせるようにしましょう。また加熱してあげたほうが安全です。

ミニトマトを加熱して皮を剥く場合は、ヘタを外してお尻の部分に軽く切れ込みを入れてあげます。その後加熱し、水につけながら皮を剥がすと綺麗に皮が剥けるのでおすすめです。

手づかみ食べをさせる場合は、目を離さずにちゃんと食べられているか確認しながら進めてみましょう。

トマトピューレやジュースは離乳食で使えるの?

離乳食でトマトピューレやジュースを使う場合は、無塩のもので余計なものがなるべく入っていないものを使用するようにしましょう。売り場の近くにオリーブオイルや香味野菜が入っているトマトソースも置いてあることが多いため間違えないように注意してください。

またチューブタイプの濃縮トマトピューレを使う場合は、そのままでは濃すぎるため商品の表記にある割合で薄めてから使用します。

食材にあまり悩みすぎない

食材のデメリットを考え出し、野菜は必ず国産かつ有機で無農薬。家畜、家禽、魚は抗生物質やホルモン剤を一切使わず、プラスチックや缶詰のビスフェノールA駄目という方も多いです。

ここまでくると日本の農地は完璧ではなく、米に含まれる物質が気になり普段の食生活も調整する必要が出てきます。さらに粉ミルクに含まれる原料(魚油や植物油や栄養添加物)についても矛盾が出てきて大半の市販品が使えません。

こうした方に問い合わせをいただくと、自分の納得のいく食材で手作りをした方が良いとお話をするのですが、ベビーフードで安全な食事を実現したい方が多いです。

必要以上に情報を耳に入れないことも重要です。

トマトに含まれる栄養

トマトにはさまざまなビタミン・ミネラルが含まれており、特に抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、リコピンを豊富に含んでいます。

リコピンとはカロテノイドの一種で、体内で代謝されビタミンAに変化します。カルシウムの多いしらすや鯖などと一緒に食べると効率良く栄養を取れるためおすすめです。

またトマトは加熱をすると旨味成分であるグアニル酸が増加します。皮が付いたままオーブンで焼き目が着くまで加熱するとより旨味が引き出されます。

離乳食期ごとのトマトの形状・量

離乳食ではそこまで量を使うわけではないため初期の段階ではミニトマトやプチトマトがおすすめです。

加熱したトマトを種や皮が付いたままヘラで裏ごし器に押し当てこすと簡単に裏ごしペーストが作れます。市販で売っているトマトピューレを選ぶ場合は、塩分が加えられていないか確認して使いましょう。

中期以降は、中玉や大玉のフレッシュトマトがおすすめです。大きい方が皮剥きや種取りが簡単です。ミニトマトに比べ若干水っぽいため湯むきした後に種を取り除き、電子レンジなどで少し水分を飛ばしてあげるとミニトマトに近いちょうどよい仕上がりになります。

  • 離乳食初期(5~6ヶ月)で使うトマトの量
    初期の目安量はおおよそ耳かき程度から増やしていき20gまでが目安です。
  • 離乳食中期(7~8ヶ月)で使うトマトの量
    中期の目安量は、1回20〜30g程度が目安になります。複数の野菜を食べさせる場合には調整が必要です。
  • 離乳食後期(9~11ヶ月)で使うトマトの量
    後期の目安量は、1回30〜40g程度が目安になります。複数の野菜を食べさせる場合には調整が必要です。
  • 離乳食完了期(12ヶ月~)で使うトマトの量
    完了期の目安量は、1回40〜50g程度が目安になります。複数の野菜を食べさせる場合には調整が必要です。

離乳食で使うトマトの調理ポイント

トマトのヘタの反対側に軽く十字の切り込みを入れ、お湯を沸かし数十秒間軽くゆがきます。

皮が剥けてきたら取り出し冷水に入れ皮を剥きましょう。

湯むきが終わったら、トマトを横に置き、ちょうど真ん中の位置でスライスします。その後スプーンで種を掻き出します。

トマトの種は円形上に入っているため側面をスライスしましょう。

トマトの冷凍保存のやり方・ポイント

離乳期の場合使う量が少なく使いきれないという方も多いのではないでしょうか?ここでは冷凍保存する場合のコツを紹介します。

冷凍保存の方法

トマトを丸ごと冷凍保存する場合は、水滴を拭き取り皮付きのまま保存すると風味や色合いが劣化せず、綺麗に保存することができます。

カットしたものを保存する場合は、解凍の際、断面から多くの水分が出るため大きめにカットすると上手くいきやすいです。

解凍方法

解凍は流水にあてて皮を剥きながら解凍すると良いです。

加熱調理する場合は半解凍のままカットすると汁気で断面がグズグズにならず切ることができます。

トマトはなるべく熟しているものを使う

市販で販売されているトマトの中にも少し熟成が遅く青い部分が残っている未熟なトマトがありますが、離乳食で使用する場合はなるべく赤く艶の良いトマトを使うと良いです。

未熟なトマトしか手に入らなかった場合は、日が当たるところに置いておくと熟成が進み赤くなるので、少し日を置いてから調理しましょう。

トマトのアレルギーについて

トマトでアレルギー反応が起こる可能性はゼロではありません。

離乳期の時点では、何にアレルギー反応が起こるかわからないことも多々あるため、初めての食材を食べさせる際は病院の空いている時間に少量づつ食べさせるようにしましょう。

トマトを使った離乳食のレシピ

ここではトマトを使った離乳食のレシピを紹介します。

トマトリゾット(中期〜後期)

  • ささ結びの軟飯 80g
  • はじめのデリシャストマト 20g
  • カッテージチーズ 10g
  • 洋風だし 適量

調理方法

  1. ささ結びの軟飯とデリシャストマトを解凍する
  2. カッテージチーズと洋風だしを加えて軽く煮詰める

しらす入りミネストローネ(後期〜完了期)

  • ダイストマト(1cm目安):15g
  • 無塩トマトジュース:15g
  • 塩抜きしらす:10g
  • マグロ刺身用:5g
  • ズッキーニ:10g
  • キャベツ:5g
  • グリンピース:5g
  • ホールコーン:5g
  • 離乳食用液体だし:10g(酵母エキス、塩分など余計なものが入っていないものが好ましい)

調理方法

  1. ズッキーニ、キャベツを1cmぐらいのサイズに角切りする。
  2. その後野菜類をレンジで軽く加熱をしてから合わせて鍋で加熱する。
  3. 水分が飛びすぎた場合は水を入れ調整し沸騰させる。

鶏肉のトマトソース(後期〜完了期)

  • 鶏むね肉(皮なし):15g
  • ダイストマト(1cm目安):20g
  • 玉ねぎ;10g
  • にんじん:5g
  • ブロッコリー:5g
  • 離乳食用液体だし:10g(酵母エキス、塩分など余計なものが入っていないものが好ましい)

調理方法

  1. 玉ねぎ、にんじん、ブロッコリーを1cm角にカットする。茹でるor電子レンジで下茹でをする。
  2. 鶏むねは皮と筋を外したものを叩いてミンチにする。
  3. その後鶏肉と下茹でした野菜、ダイストマト、液体だしを煮詰め、水分が飛びすぎるようなら水を加え調整する。

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